高齢者はからだが自由に動かなくなったら
―佐倉市福祉部長川根紀夫さんの講演を聞いて―
昨年10月に開催した公開講座「佐倉市の福祉施策と課題について」講演された川根さんは、少子高齢化に伴う諸制度の課題について、 るる説明があった後、締めくくりにこんな話をされました。
介護認定を受けていない高齢者のアンケート(平成23年7月)では、要介護となった場合に、介護を受けたい場所はどこか?の問いに
約半数近くの方が介護が必要になっても、住み慣れた我が家に住み続けたい、と希望しています。
現実に訪問介護などの支援を受ければ在宅で暮らしていける方が多いことから在宅介護の重要性を述べています。
そして、平成25年度から、在宅での暮らしに不可欠な新たなサービスとして定期巡回・随時対応型の訪問介護・看護の実施について始めると、話があった後
「人の暮らしは制度だけで成り立つものではない。まして人の幸福は……。高齢者になり、からだが自由に動かなくなったら施設に行くのが一番。そうすれば家族に迷惑をかけないし……。
確かに家族を思いやる姿は立派なこと。しかし、このような考え方は本当に正しいのでしょうか。このように考えなくてはならない社会は大変未熟だと思いませんか。
からだが弱くなったらなおのこと、家族や友人等多くの関係者と関わって生きていくことが励みになり、出かけたいときに出かけ、食べたいときに食べられることが
幸せな人生といえるのではないか」
と問いかけています。
そして、どんな町が高齢者や障害者にとって必要なのか、どんな人たちに囲まれて暮らしたいのか、自助・共助・公助の視点で考えましょう!とも話されました。
この問いかけは、現実の状況を踏まえながらも、高齢者や障害者が生き生きと暮らすために、そしてずっと佐倉で暮らしたいと思うような町にしたい!という強いメッセージが込められていると思いました。
このことを踏まえ、私たちに何が出来るのか地域の諸活動を見つめなおした時、[共助]活動の要になっている自治会活動や社協活動、各種ボランティア活動などが、
とかく形式的な成果主義に陥っていないか、今一度みんなで話し合ってみてはと思いました。