よく見かけるゾウムシ

戻る

 印西市の戸神、神崎のふたつの川の流域はよくいく場所だ。夏にこのあたりを歩いているとよく見かけるゾウムシのなかまがいる。シロコブゾウムシ(Episomus turritus)とオジロアシナガゾウムシ(Mesaicidodes trifidus)だ。口吻が長く伸び、ゾウの鼻のように見えるゾウムシのはかまはゾウムシ上科として括られる。このなかまは膨大な種をかかえていて、その数、数万種から数十万種になるとも言われていて、多くの未記載種(発見されていて、命名されていない)や未発見種があるそうだ。このゾウムシ上科に多くの科がある。

 このように、大きなグループをつくるゾウムシのなかまだが、前述の2種はその中でもこのあたりでは非常にポピュラーな種だ。それはこの2種、シロコブゾウムシ、オジロアシナガゾウムシがどちらも食草としてクズを食べるためだろう。印西市の河川や池の周囲の景観で残念なところがある。それは、あらゆる場所に設置されているフェンスや鉄線だ。これは、事故防止や工事、整備中の場所が多いこと、また、水辺の事故防止などのためだ。確かに場所によっては湿地化、泥沼している場所や思わぬ危険箇所あるので、仕方がないところだ。生命にはかえられない。このフェンスや囲いがクズをはじめとするつる性の植物にとって生育に適した条件であること言うまでもない。もともと、クズは夏にはものすごい勢いで生い茂る。そのため、クズは印西市の河川流域には、このフェンス、囲いのためもあって非常に多い。そのため、この2種のゾウムシがたくさん見られる。

 ゾウムシ科に属するシロコブゾウムシは見た目が非常にすばらしい(?)昆虫ではないかと思う。何がすばらしいかというと、厚みがあるからだで、体高があり、突起が全身を覆っている。体色も灰白色のため体表に光による陰影が浮かび上がる。そのため、拡大すると非常に立体的に見える昆虫だ。大きさも1.5cmほどありわりあい大柄だ。神経質なようで、人が近づくとすぐに転げ落ちるとのことだが、このあたりのものは意外とずぶとく、結構、人が近づいて平気でいるものが多いような気がする。右の写真は囲いの鉄線にしがみついてじっとしているところだ。










 同じくゾウムシ科に属するオジロアシナガゾウムシは黒と白の体色のゾウムシで、こちらは人が近づくとすぐに転げ落ち、動かず丸まっていることが多い。そのときの様子は白と黒の色合いと微妙な体表の凹凸のため、右の写真のように、まるで、鳥の糞のように見える。メスはクズの茎に卵を植え付け、虫こぶの原因となるようだ。

 ゾウムシのなかまはそれぞれに特徴的な色、形をしていて、結構、見ていると楽しい。

 






先頭にもどる