日向のヤナギハナガサ

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 戸神調整池、戸神川上流から神崎方面に向け新しい自動車道が開通した。この道路は、場所により切通し、谷津の上にかかる高架などとなっている。ちょうど、谷津と周囲の高台を突っ切る形の道路だ。この道路を車で走っていると、ちょうど高架から高台の部分に差し掛かる日当たりのよいところで青紫の花をつけた、わりと大柄な植物が目についた。花は散房状に咲いていて、上部で分岐があり、ちょうど、オミナエシのような形に見える。

 この花は簡単な植物図鑑や写真図鑑などにはあまり出ていない植物だ。クマツヅラ科のヤナギハナガサVerbena Bonariensis L.という植物だ。学名にバーベナとあるが、別名をタチバーベナ、サンジャクバーベナ(三尺バーベナ)という。高さは1.5mほどになるので生えていると目立つ。花も美しい。確かに近くで花をよく見るとバーベナだと納得できる。茎がまっすぐに伸びていて、下部では葉があるていど密であるが、上部ではまばらで細い葉を対生している。

 ヤナギハナガサは南アメリカ原産の帰化植物だ。大柄で美しい花のためか観賞用に栽培されているらしい。北アメリカ、オーストラリアにも帰化しているとのことだ。日本には第二次大戦後に帰化したようで、東海地方から勢力を伸ばし、現在ではその生活場所を全国的に広めている。市街地の道端などに見られることが多いようだ。佐倉市でもこの植物は見たが、今回の場所と同じように平坦で、まわりに背の高い植物があまりなく、日当たりのよい場所に生えていた。そのような環境を好むようだ。野外で出会うとすぐに目にとまる植物だ。花の色はやはり園芸種、帰化植物らしい色(日本ではまわりの景色から浮き立って見える)に思える。

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