不明種?、ウラジロチチコグサ

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 日当たりのよい芝生に生えてきた植物で、なかなか種名のわからないものがあった。生えてきて、すぐに気がついてキク科のようであるとは思ったのだが、あまりに幼すぎて種が不明であった。仕方がないのでしばらく待ってみた。やがて高さ30cmほどに成長した。それではということで図鑑で調べてみた。似ていると思われるものにタチチチコグサとチチコグサモドキがあったが、よく見てみるとどうやら違うようだ。徳利のような形をした小花が穂状についている。茎は白っぽく、拡大してみると細かい白い毛に覆われている。葉は長楕円形で、表面はやや濃い目の緑色、裏は白っぽく、これも拡大してみると細毛で覆われている。葉の縁は細かく波打っている。根生葉はロゼット状で、色鮮やかなまま花期にも残っている。
 どうやら、キク科ハハコグサ属であろうことはわかったが、その先が進まず、種名は不明のままであった。ところが、後日、植物関係のホームページをブラウズしているとウラジロチチコグサという植物に行き当たった。そのページは「石川の植物」というサイトのウラジロチチコグサとウスベニチチコグを比較し、両種について詳細に記載がされているページ(http://www48.tok2.com/home/mizubasyou/92urajirotitikogusa.htm)だった。 このページには両種の各部の写真と解説がわかりやすく掲載されていた。そのページを参考に実際の植物の各部を拡大して比較した結果、ほぼウラジロチチコグサ(Gnaphalium spicatum Lam.)であろうということがわかった。そこで、はじめにこの植物を発見した芝生にいってみると、気がついた当初にはまばらであったこの植物がいたるところに生えている。去年はここにそのようにたくさんこの植物が生えていた記憶がない。なぜ、今年になって急増したのであろうか。
 ウラジロチチコグサはアメリカ大陸原産で1970年代に帰化した植物のようだ。ウラジロチチコグサはとにかく日当たりのよい場所を好むようである。他の植物として、ブタナが若干生えていたような芝生で我が物顔で生えている。生え始めたのが4月頃、5月の終わりの今、芝生を独占しているような状態である。前述のサイトはタイトルの通り、石川県の植物についてまとめたサイトなので、ここ印西市でも、この状態であるということは全国的に勢力を広げているのであろうかと思われる。調べてみるといくつかの地域で確認されていることがわかった。やはり、ここと同様に日当たりのよい場所で勢力を伸ばしているようだ。この植物についてはやっと種名がわかったこともあり、、近隣の他所でもあるのか、来年も今年のように生えるのかを確認してみたいと思っている。
左:小花 右:葉(裏)

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