春の代名詞、ウグイス。ウグイスは「ウグイス」と表記するより「鶯」、「うぐいす」と表記するほうが似合うほど日本人には馴染み深い鳥だ。ウグイスの「ほーほけきょ」という鳴き声もよく知られている。この声が有名であるのはその特徴的な鳴き方のみでなく実際によく聞かれることにも由来しているようだ。昔は「うぐいす笛」などという笛がよく観光地で売られていた覚えがある。ウグイスの声は山野だけでなく、都心でもよく聞かれる。一方、「鴬色」というようにその体色が色の名前にまでなっているのに姿はあまり見かけない。これはウグイスが藪を好むことによる。林内で昆虫などを食べるが植物の種子や果実なども食べることがあるようだ。同じウグイス科に属は違うがムシクイのなかまがいる。姿も似ている。体色は上面、背面が暗い灰緑色で下部ややや白っぽい。上面も「鶯色」のようにきれいではないような気がするが....実は鶯色はウグイスのこの色、つい派手なメジロの色を想像してしまう。白色の眉斑、黒褐色の通眼線が目立つ。ときどきメジロをウグイスと間違える人がいる。メジロは緑色がウグイスにくらべ明るく鮮やかだ。眼のまわりの白い模様も目立つ。メジロはウグイスと違い人家の庭にもよく来る。また、ウグイスはメジロと異なり意外と尾が長い。雌雄で体色の違いはない。
「梅に鶯」という諺がある。仲のよいもの、似合うものを表すそうだ。「春告鳥」であることが春を告げる梅とマッチするのであろう。なぜか柳には燕だそうだ。
ウグイスは古くからよく飼われる鳥であった。古風な竹製の籠で飼われていた姿を昔見たことがある。