チョウたち
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春から夏には多くのチョウと出会ったが、その中のいくつかを紹介しよう。また、春がやってくる。これらのチョウに出会う前に、少し復習をしておきたい。一部を除いてごくごく、普通に見られるチョウたちだ。春からの季節に、野外に出れば、いずれかのチョウには確実に出会えると思う。














左上からアゲハチョウ科のアオスジアゲハ、タテハチョウ科のアカタテハ、キタテハ、コミスジ、セセリチョウ科のダイミョウセセリ、ギンイチモンジセセリ、イチモンジセセリ、ジャノメチョウ科のヒカゲチョウ(ナミヒカゲ)、ジャノメチョウ、コジャノメ、シロチョウ科のモンキチョウ、キチョウ、モンシロチョウ(裏、表)スジグロシロチョウ
アオスジアゲハはアゲハのなかまとして身近かなチョウで、都市部でも目にすることができる。翅の青いすじが目立ち、身近なチョウのなかまでは美しいチョウにあげることができるであろう。写真は神崎川でのものだが、このように吸水する姿もよく見られる。幼虫はクスノキ科を食草とする。成虫はヤブガラシにやってくる。
アカタテハもよく見られる。なぜか、道路、農道などの路面にとまっている姿を見る機会が多い。幼虫はクサマオ、ヤブマオなどを食草とする。成虫はアザミなどで吸蜜する。ヒメアカタテハが似るが、後翅がアカタテハのほうが黒色部分が多い。
キタテハは夏型と秋型で色合いが異なる。幼虫の食草はカナムグラ。
コミスジはタテハチョウのなかま。タテハチョウのなかまは見た目の感じに多様性があるなかまのように思える。ミスジチョウが似るが、翅の模様をよく見ると区別できる。幼虫の食草はクズ、フジなど。幼虫は独特の形をしている。
ダイミョウセセリはセセリのなかまとしては立派?に見えるチョウ。幼虫の食草はヤマイモ科の植物。翅を開いてとまるチョウなので、観察しやすい。関東型と関西型があるそうだ。これは、もちろん関東型。関西型は前翅に続くように白い帯がある。
ギンイチモンジセセリはススキ、アシ原に生息するチョウ。写真ではわからないが翅の裏に銀色の一文字模様がある。最近は、生活環境の変化により、減少傾向にあるチョウだそうだ。幸い、印西を中心に北総台地では、まだススキ、アシ原が残っているために、見られるのかもしれない。
イチモンジセセリはよく見るチョウだが、季節によって移動する。夏は南下する。幼虫の食草はススキ、エノコログサなど。
ヒカゲチョウの幼虫はメダケ、アズマネザサを食草とする。アズマネザサは雑木林の周囲によく生えているので、雑木林周辺ではこのチョウをよく見かける。ジャノメチョウ科のチョウは蛇の目が特徴でどれもよく似ている。が、この蛇の目は種類によってしっかりと規則性があるので、これを手がかりに見分けることができる。後翅にふたつ大きな蛇の目が目立ち、その間に小さな蛇の目が3つ並ぶ、大きな蛇の目のうち後ろのもののさらに、後ろに小さい蛇の目がひとつある。
ジャノメチョウの幼虫はイネ科、カヤツリグサ科を食草とする。そのため、草原に多いチョウだ。オスが4〜5cm、メスが6〜7cmでメスのほうが多いチョウである。
コジャノメの幼虫はイネ科の植物を食草とする。雑木林の多いチョウだ。似た種にヒメジャノメがいる。どちらも翅の裏に翅先端と付根を隔てる白帯がある。前翅の白帯が蛇の目にそって歪む傾向がコジャノメにはある。また、とまっているとき、後翅の一番、大きな蛇の目の上にコジャノメは4つ、ヒメジャノメでは3つ蛇の目が並ぶ(4つの場合もあるが一番下のものが小さい)。ヒメジャノメもこのあたりでは見られる。
モンキチョウは黄色い地にいくつかの黒斑と白い斑が目立つ。ただ、季節によって型があり、翅の周辺の黒味が強いものもいる。幼虫の食草はアカツメクサ、シロツメクサなど。モンキチョウのメスには白型と黄型がある。
キチョウの幼虫はネムノキ、ハギなどを食草とする。レモンイエローのきれいなチョウだ。
モンシロチョウは幼虫がキャベツ、ダイコンなどアブラナ科の植物を食草とする身近なチョウ。翅の表の縁は黒く、黒い斑がふたつほど目立つ。この黒い模様が翅の裏からも透けて見える傾向にある。天気がよい日に草原をひらひらと飛んでいる。
スジグロシロチョウはモンシロチョウに似るが、翅の表に脈にそった黒いすじが目立つチョウ。幼虫はアブラナ科の植物を食べる。モンシロチョウに見た目だけでなく食性も似ているようだ。




左:シジミチョウ科のベニシジミ。スイバやギシギシを好むチョウだ。葉裏の紅色が美しい。
中:ナミアゲハ(アゲハ)、ナミアゲハはアゲハチョウ科で全国的に分布するチョウ。翅も美しいがよく見ると体の模様も美しい。とまっているのはブットレアという園芸植物で、別名「バタフライフラワー」ともいわれ、チョウがよくやってくる植物だ。
右:クロアゲハは名前の通り黒いチョウだか、よく見ると羽裏のオレンジ色、表の尾部近くの羽のオレンジ色が美しい。前羽は色が薄く翅脈がよくわかる。前翅全部の翅脈の模様が特徴的だ。
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