林縁で見られる木々

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 林縁を歩いているといろいろな低木から高木まで様々な樹木が目に入る。樹木は前にも触れたが私にとっては、なかなか、なじみにくいもののひとつだ。まず、区別がしにくい。それでも、あえて着目し、少しずつでも慣れ親しんでいきたい。そのような、樹木の中で、割合、同定しやすく、区別しやすいのがブナ科の樹木だ。葉が特徴的で、実も特徴があるので区別しやすい。写真左からアカガシ、スダジイ、シラカシとその実。ブナ科の実は広義にドングリと呼ばれる堅果というタイプ。そのドングリも形もさまざまで、殻斗と呼ばれるはかまの部分も縞状、鱗状、全体を包むようなものとさまざまだ。実も花期から1年目にできるものと2年目に成熟するものがある。
 アカガシは関西に多いようだ。葉は全縁で鋸歯はなく10cmほどになる。実の殻斗は縞状。
 スダジイは葉は小ぶりで先がややとがる傾向にある。全縁のものと鋸歯のあるものとがある。実は殻斗が包むタイプ。
 シラカシはこのあたりには多い木だ。細身の葉で鋸歯がある。鋸歯の先はとがってはいない、とがっているとウラジロガシの可能性が高い。実は写真の通り。
 ガマズミ(スイカズラ科)のなかまも多い。種の同定は難しい。写真右はガマズミであろうと思われる。葉が丸く、葉柄が短い。左もガマズミのなかまだが、葉柄も長く、葉が細長いものである。はっきりとした種はわからない。
 左はムラサキシキブ。紫色の小さなきれいな実がつくので、実の時期には区別しやすい。なかまにコムラサキがあるが、葉がコムラサキは細長いので区別できる。
 右はアオキ。ふ入りの園芸種が野生化したのや、ふのないもの。鋸歯のものと、全縁のものなどがあるようだが、葉がおおぶりであることと独特のつやがあることで区別しやすい。
 これはスギ。植林のためか、いたるところにある。林縁でもちょこちょこと顔を出す。短めのとげとげしい葉が特徴的だ。スギ科の植物。写真に写っている丸い部分は実だ。
 樹木についてはなかなか、しっくりとくる図鑑がない。できれば樹皮、実、花が網羅されていることが望ましいが、紙面の関係でなかなか、そこまで掲載しているものは少ない。葉も古いものと、新しいものでは同じ木でもかなり形が違う。また、同種でも個体差、地域差がけっこうある樹木も多い。そのような状況でいまのところ、山と渓谷社の「山渓ハンディ図鑑」シリーズの「樹に咲く花」はわかりやすい。ただ、3分冊で1冊3600円と高価だ。また、落葉樹であれば、信濃毎日新聞社「冬芽でわかる落葉樹」(2,524円)が使いやすい。インターネットでも樹木を解説してくれるサイトは多く、すばらしいサイトもあるが、書籍と違い一覧性がないため、どうしても使いにくい。樹木については少しずつこつこつと慣れ親しんでいくしかないようだ。
 これはシロダモ。クスノキ科の樹木だ。葉の3支脈が目立つクスノキ科の植物。小高木で、雌雄異株。花期(10-11月)に全年の実が赤く熟す。ということで、写真の株は雌株で、実は昨年できたということになる。種子からは油がとれ「つづ油」と呼ばれ,ろうそくの原料として使われていたそうだ。