鳥やま、利根川にて

戻る

 11月になり気温も少しずつ下がってきた。いつも定期的に訪れる利根川の岸辺。少し離れたところに水 位の変化により広く砂地が広がることがある。利根川は前にも紹介したようにけっこういろいろな魚がいる。アメリカナマズ、コイの仲間 たち、増えつつあるというコクチバスなど。相変わらず目立つのはボラだ。今でも、ところどころでジャンプしている。また、ところどこ ろで群れがいるなとという気配が水面に見られる。今日も砂地の近くでそのような気配が感じられた。周囲には数羽のアオサギとカワウが いる。と思ってみていると、百羽ほどのカワウがどこからともなく飛来し水面に。一気にその場がカツオの一本釣りの漁場のようになって しまった。次々と飛来する鳥たちが、あるものは着水し魚を捕らえ、あるものは飛翔しながら魚を捕らえている。まさに鳥やま状態だ。そ の騒ぎに気づいて、さらにアオサギも数羽、飛来してきた。どうやら、捕らえられているのはいつも群れている小振りのボラのようだ。 ちょうどカワウの頭部よりやや大きめくらいのボラたちのようだ。しばらくするとその場から逃れるためかこちらの足下まで逃げてきたボ ラも見られた。その騒ぎは少しずつ場所を上流のほうへ移しながら延々と続いていた。鳥の数もすごいが、それに食われているボラの数は どのくらいなのであろうか。
toriyama aosagi

 この騒ぎで目立つのはなんといってもカワウの貪欲さだ。がむしゃらに食べまくっているという感じだ。 それにくらべアオサギは優雅に構えている。最初からいたアオサギも、騒ぎに気付きやってきたアオサギも、どこか「こいつらよくやる よ。」という感じでカワウを見ている。いつも行く利根川の岸辺だが、その日その日でいろいろと楽しい光景が見られる。
 そのような利根川沿いではタヌキがかなりいるようだ。その糞の量がすごい。同じほ乳類だとイタチもかなりいるであろう。そしてもう ひとつ、ノネコだ。ノネコと野良猫は生態的にも、行政的にも若干異なる面がある。身近な猫、イエネコ(Felis silvestris catus)だ が、これが特定の飼い主を持たず、人間の生活場所周辺をうろつき、それでも人間に依存して生活しているとノラネコと呼ばれる。そし て、人間への依存なく生活できる状況になるとノネコとなる。ノネコは島嶼部に多い。利根川の場合はかなりノネコ化しているように思え るが、人家もない訳ではないのでノラネコ生活もしていると思える。芦原を中心に野生生活をしているかと思うと、釣り人がいるとどこか らとなく近づき、捨てられた魚(目的のものでない場合、捨てられるものが多い)を奪っていく。ちょうどネコが家畜化する過程を逆行し て野生化しているようだ。イエネコの祖先は今は様々な側面からリビアヤマネコ(Felis silvestris lybica)とされている。リビアヤマネコは写真でみて も、ヤマネコというより我々の身近にいるネコにそっくりだ。若干、イエネコより立派な尾を持っているようにも見える。利根川にいるノ ネコ化しつつあるネコたちは模様も様々だ。その中から、リビアヤマネコ風のネコの写真を載せておこう。
noneko
 そして、次のものは紹介しようがない。正体が不明だ。利根川沿いにはいくつか湿地、沼、池といえる水場がある。よく行く 水場があるが、そこではサギ、シギやカモのなかまがよく見られる。ここ数日、大型の鳥が見られることが多 い。換羽中のカワウのようだ。下嘴は白っぽいようだ。潜るというより水面を泳ぐ感じで水中のさぐり魚を捕らえてい る。水面をぐんぐんという感じで進む。アオサギが近くいてもおかまいなしだ。アオサギのほうがビビっている。かなりの量の魚を捕らえ ているようだ。この水場は立ち入り禁止になっているのですぐそばに近づく訳にはいかない。なので体の模様や特徴がはっきりしない。

abi_sp




先頭にもどる