利根川6月
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2014.6.17
6月になり不安定な天候が続いた。梅雨というには激しい雨が局所的に降る。地上付近の暖気と上空の寒気のせいで積乱雲があっという間に成長
し、雷、竜巻、雹、激しい雨が襲ってくる。そのあと、今週にかけては真夏に近いような暑さだ。利根川も先週の雨のせいで増水が激しかった。先
週末、雨上がりに訪れたときは水面も濁り、流木、ゴミなどがかなりの速さで下流へと流されていた。水位も雨が上がったにも関わらず上昇してい
て、通常より2m以上はあった。
今日、同じ場所を訪れてみると水位はかなり下がっていた。しかし、普段は何もないところに流され残された流木、ゴミなどが溜まっていた。に
おいもひどい。まだ、水は濁っていて、流れも速い。上流部で不定期に雨が降っているためもあるかもしれない。そのような流れ着いたものの中に
大雨の犠牲者もいた。ハクレンだ。

ハクレンHypophthalmichthys
molitrixだ。コイ科の大型外来種だ。日本では利根川、霞ヶ浦近辺で自然繁殖している。ハクレンは産卵された卵が浮遊しながら孵化するという特徴が
ある。利根川の場合は埼玉県久喜市付近で産卵される。卵が浮遊するため十分な流路延長がないと卵が孵化できない。また、産卵地付近でのジャン
ピングが有名だ。流れ着いていたハクレンも50~60cmくらいはあったようだ。さらに数日後再び同じ場所を訪れた。かなりカラスに痛めつけ
られてが、それでも、原型は留めていた。一生懸命生きてきたのだろうに。
岸辺ではひっそりとムシトリナデシコ(ナデシコ科Silene
armeria)が咲いていた。花は小さいが花色が目立つ。原産がヨーロッパの帰化植物だ。花の下部、茎の一部が茶褐色になっている。これは粘液でここに
虫がつくと動けなくなる。
そして、大量に咲いていたのがハルシャギク(キク科Coreopsis
tinctoria)だ。水辺や河川の近くで見かけるキクだが、利根川の河川敷では大量に咲いている。北アメリカ原産の帰化植物で観賞用に移入され野生化
したようだ。移入されたのは明治時代とのことで国内での歴史は長い。今、同じキク科のオオキンケイギクの大量発生が問題になっているが、ここ
ではハルシャギクが優勢だ。
オオキンケイギクが繁茂しているのでうっかりすると、オオキンケイギクと思われているかもしれないが、ハルシャギク、しっかりと生き延びてい
る。
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