長い手をもつテナガエビ

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 テナガエビはかなり活発なエビ。夜行性ではあるが昼間もかなり活発に活動しているようで、罠を仕掛けておくとほとんどの場合、このエビが入ってくることが多い。もちろん、不必要な場合はそのまま、放流する。数も減少傾向にあるとのことである。しかし、このエビが減少したのは農薬の影響が強いようで、近年は一部地域では増加しているところもあるそうである。印旛沼水系では多くの川でかなりの数が生息しているようだ。かわえびの唐揚などといわれ、料理される場合が多い。前の1対の胸脚が非常に長いため、テナガエビの名前がある。この胸脚はメスよりオスのほうが長い。大きさは10cmほどまで成長する。体長は10cmほどでも長い胸脚は体長の1.5倍ほどにもなる。川にふつうにいるので知らなかったのだが、河口付近で過ごし幼生が海ですごすものと、淡水で育つ陸封型があるそうである。テナガエビ科、テナガエビ属に属する。夏に産卵されメスの腹部遊泳脚のあたりに付着する。幼生を経て1ヶ月ほどで成体になる。このため十脚目の抱卵亜目に属する。つまり、十脚目、抱卵亜目、テナガエビ科、テナガエビ属、テナガエビとなる。食性は動物質を中心とした雑食性。底生のプランクトンや他の生物の遺骸を食べているようだ。飼育については、ちょっとという感じである。何気なく飼っても長生きするもの(場合)もあるが、わりあい早く死んでしまうもの(場合)もある。印旛沼水系でエビのなかまとしてこの他に多くいるのがヌカエビだが、かなり小型のエビだ。それに比べ色は地味だが、大きさと長い胸脚があるテナガエビは見応えのあるエビである。テナガエビは、前述のように印旛沼水系では身近なエビだ。

 

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