<佐倉周辺のタヌキ>
このあたりにいる哺乳類はなんだろうか。まず、ウサギはいる。畑地や雑木林そばにはウサギの糞が多数落ちていることがある。次に、交通事故の犠牲者としてイタチ。河川近く、アシの群生地側の道路などではよく車に轢かれ無残な姿となっている。ときには道を横切る姿も見られることがある。ネズミの類はイタチがいるのだから多数いることが想像できる。佐倉市南部にはキツネも棲息しているとのことであるが、もちろん、実際に見たことはない。
さて、タヌキである。あるとき夕方、暗くなりかけた頃、林の中で何やら動き回っている様子、次にぷんとするイヌ科特有のにおい(このにおいのわからない人は動物園に行って、イヌ科の動物の檻のそばにいってみるとわかると思う。)がした。これはタヌキだと確信ことがあった。最近、そのタヌキを目の当たりにした。しかし、それは元気なそれではなく、車に轢かれ道路脇に死んでいるタヌキであった。このあたりには雑木林も多く、字のごとく人里の動物であるタヌキもそこそこいるであろうことは想像できるが…。人里に近いということはこのような事故にも遭いやすいということであろう。
車に轢かれ無惨な姿
<タヌキとはどんな動物>
タヌキは食肉目、イヌ科の動物である。が、雑食でネズミ、カエル、昆虫、魚、小鳥などの動物質のもの、カキ、ブドウ、どんぐりや各種地下茎などの植物質のものを食べる。この食性のせいで民家近くに棲息して残飯をあさることも多い。イヌ科としてめずらしく冬ごもりをする。早春に繁殖期に入る。妊娠期間は約9週間、5〜6月頃、1回に5〜8子を産むことが多い。有名なタヌキ寝入りとは驚いて失神するのではなく、ある種の刺激に応じて死んだふりをするのではないかと考えられている。ムジナという呼び方もあるが現在では“ムジナ”はタヌキとアナグマの混称であると考えられている。毛皮は良質で筆として利用される。