シャガは古い時代に中国から渡来したアヤメ科の植物。葉を見るとアヤメのなかまであることが肯ける。花は白を基調とし艶やかだ。林の中にある常緑の植物だ。林の中で木陰になっているところで目立つ花を咲かせている。今回も花の丘公園内の林の中にあった。花をよく見ると外花被片のふちは細かい切れ込みがあり、黄色と紫色の斑がきれいだ。その派手な外花被片の内側に先端が2裂した細い内花被片がある。6つある花被片のうち、外側3つが大きいという特徴があり、よく知られているアヤメ、カキツバタやショウブと同じアヤメ属に属する。花柱の先も細裂しており、花全体として目立つ特徴を呈している。
シャガをはじめて見たのははるか昔に上野公園で見たのが最初だったような気がする。やはり、植樹の根元の木陰で咲いていた。はじめはあまりに派手なその花のため、園芸種かと思ったことを覚えている。花の直径も4,5cmあり、前述のような花のつくり、色なので、野草っぽく?なく、そのまま園芸用に使えるような植物だ。実際、園芸でも使われているようだし、もともと園芸用に移入されたものが野生化しているのかもしれない。ただ、この植物は3倍体なので結実はしないとのことである。また、球根をつくこともないようだ。移植するのであろうか。似たものに小型のヒメシャガがあるが、こちらは結実する。
シャガは飾る言葉が必要ないほど、そのままできれいな花を咲かせる植物だ。しかも、この花ほど特徴があると他の花との区別に困ることはない。ヒメシャガも花は青っぽく、あきらかにシャガとはことなるので間違うことはにあだろう。やや、暗い林の中での群落は格別な雰囲気がある。