県立北総花の丘公園に咲いていたシロバナタンポポ。川沿いの遊歩道にぽつんと咲いていた。見かけたのは春だが、その年に確認できたのは一株だけだった。前に他の場所で見たときも、やはり、一株だけで、他には見かけなかった。日本在来種のタンポポで、関西に多いタンポポだそうである(ツクシシロバナタンポポとカンサイタンポポの交雑種と言われている)。一応、関東の一部から西に分布するとのことで、このあたりでも見られるわけだ。ただ、北総では数は多くなく、ときどき、見かける程度だ。関東地方では「タンポポの花は黄色」だが、名前の通り白い花が咲くタンポポ。この他に白色系統の花が咲くタンポポとしてはキビシロタンポポ(中国地方中心に分布し、やや、黄色みが強く、高さも低め)、ウスギタンポポ(東北地方で分布)などわずかだ。頭花は直径4cmほど。見る頻度が低く、これで、生殖できるのだろうかと心配になるが、このタンポポもセイヨウタンポポと同様に単為生殖で増える(染色体数は5n)。花期は3月以降、5月くらいまでで春の時期であり、1年のかなりの期間、花が咲くセイヨウタンポポとはことなり、限定される。葉は他のタンポポより立つ傾向にあるそうだ。全体としてしっかりした感じがする。また、総ほう、花茎、葉が淡緑色で鮮やか。高さは40cmほどになることもあり、タンポポの中では高く育つほうである。
この、時々しかお目にかかれないシロバナタンポポがこのあたりで、どのように推移しているかはわからない。タンポポについてはいろいろな地域で、いろいろな観察や調査が行われていて、インターネット上にもさまざまな情報が載っている。しかし、ほとんどは、セイヨウタンポポ、カントウタンポポ、カンサイタンポポについてのものであり、シロバナタンポポについては確認された旨の記載がほとんどである。具体的にどのような地域で分布していて、盛衰の状態はどうなのであろうか。