ブナ科常緑、シイやカシ

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 雑木林やその周辺を歩いていると多くのブナ科の樹木に出合う。里山を象徴するブナ科の植物と言えばコナラが筆頭であろう。先祖たちはこのコナラの木を丁寧に育て、薪、落葉から堆肥をつくるなど多様な利用法を考えてきた。このコナラのように落葉するブナ科の植物で身近なものはクヌギやクリがある。
 一方、ブナ科には落葉しない常緑のなかまが多くいる。シイやカシと呼ばれる樹木たちだ。こちらも身近にいくつかの種類がある。これらの身近なシイ、カシのなかまの葉を眺めてみよう。
 北総で一番目にすることが多いのはシラカシ(左写真)であろう。雑木林周辺だけでなく、公園などで見かけることも多い。よく目にすることが多いシイ、カシのなかまの中では葉が細身のほうである。表は革質で光沢があり、裏は淡緑色でつやはない。互生で、単鋸歯がある。葉の長さは数cmから15cmほど。シラカシに限らずシイやカシのなかまの葉は大きさが様々で、ひとつの木で大小、まちまちの大きさの葉がついている木が多い。実は1.5cmほどで小振りだ。殻斗は縞状。幹は灰色系であることが多い。
 

 スダジイ(右写真)も林縁ではよく見かけるシイだ。通常、このスダジイとツブラジイをシイと呼ぶことが多いようである。葉の先端は尖っていて、尻尾のように見える。互生で、鋸歯はあるものとないものがある。葉の長さは数cmから15cmくらいまで。表は光沢のある革質、裏は独特の紫を帯びた茶色。身は細身で、熟すと三裂する殻斗先端までに覆われる。実が成熟するのはできてから2年目だ。幹は暗色で縦に伸びる凹凸がある。





 アカガシ(左写真)も北総では割合、見かけるがシラカシよりは少なめ。この木の葉も先端が尖る特徴がある。葉は全縁なので他のカシやシイとは見分けやすい。長さは20cmくらいにまでなる。幹は暗赤色を帯びることがある。実には縞状の殻斗があり、2年目に成熟する。




 アラカシ(右写真)も葉の先端が尖る。表面は光沢、革質。裏は白っぽく毛を帯びる。長さは15cmくらいにはなる。幹は暗緑灰色でまっすぐ伸びる傾向にあるようである。実は殻斗が縞状のタイプで1.5cmくらい。






 最後はマテバシイ(左写真)。この樹木は本来の分布域は九州。北総のこのあたりには自生していない樹木だ。しかし、公園樹木、庭木、街路樹などに多用されているため、よく目にする木だ。特徴は「大きい」だろう。独特の先端がちょっと尖った葉は20cmほどまで育つ。他のシイ、カシも葉は大きくなるが、マテバシイは多くがしっかりと大きくなる傾向にある。葉の表は光沢のある革質、裏は淡緑色に見える。実も大きく2,3cmになり、やや細長く見える。この実も2年目に成熟する。幹は暗青灰色。庭木に使われいると書いたが、よく人家を見ると本当によく植えられている樹木だ。










 葉だけで樹木を見分けるのは難しい。しかし、シイやカシの葉は他の樹木より著しく表面に光沢があり、厚みがある葉が多いため、他の樹木と区別はしやすいだろう。その上で葉をよく見ると区別できることが多い。

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