越辺川
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荒川は川越市付近で入間川と合流する。入間川は荒川と合流する前にひとつの川と合流している。それが越辺川だ(前トピックの地図参照)。「おっぺがわ」と読む。越辺川は西に秩父山系、雲取山などが臨める平野部を流れていて入間川の支流とされる。源流点は埼玉県内の入間郡越生町で、いくつかの河川と合流して30kmほどで入間川と合流する。入間川との合流地点までは車で東京から2〜3時間であろうか。この川を以前に訪れたのははるかに昔、小学生のころだった。川で魚とりをしたり、川原の水たまりでドジョウをとったりしたことを覚えている。そのときの印象は川幅も広く、川原も広く、なにより人工物は土で盛られた土手くらいであったという印象だ。訪れたのが小学生のころだったので「おっぺがわ」という呼称はどこか面白く感じられ、小学生なりの考えで、この呼び方は地元の愛称で正式には違う名称があるのだろうなと勝手に考えていたことを覚えている。「おっぺがわ」が「越辺川」で正式な呼称であることは後で知った。なにか面白みを幼いころに感じたのは「おっぺ」という音がもともとはアイヌ語であったとか、ハングル語であったという説があるためであろうか。そのときは地元の親の知り合いが案内してくれたことを覚えている。
その越辺川に数十年ぶりに行ってみた。小学生のころほどの感覚ではないが川幅もけっこうある川だ。そして、人工物は都心近郊の川としては少ない。自然な感じの岸辺も残っている。今回、川に近づいたのは、堰が設けられ、近くに木造の橋(八幡橋)がある場所だ。この橋は欄干がなく、冠水橋(潜水橋、沈水橋ともいわれる)で、増水時には水没する橋だ。今、越辺川にはこのような橋が残っているそうだ。堰の下流には凹凸の構造物が川底に設けられている。さらにその下流には自然に近い状態の岸部が続いている。

堰があるためであろうか、水中をのぞくと多くの魚が群れている。捕獲していないので、よくわからないが、堰の下流の凹凸部で群れているのはハヤ類であろう、かなりの数である。このハヤの類より数は少ないがオイカワもけっこういる。ハヤやオイカワはいつもの通り、流れに逆らい上流に向かい戯れている。そして、流れに関係なく勝手気ままに泳いでいるのがブラックバスだ。ただし、まだ若魚で、全長でも10cm程度だ。ハヤと思われる魚は数センチの群れから10cm超えのものまで様々だ。

とにかく、魚が多い。岸のすぐ脇から、離れたところまで、様々なサイズの魚群が戯れている。岸辺の群れは岸にこちらが近づくと流石に逃げるが、しばらくするとまた、集まってくる。堰がつくられているので水深が浅い平坦部がある。そこを、水面にすじを残しながら魚が勢いよく泳いでいく。今回は時間がないことと、訪ねた時間が昼過ぎであった(ちょうど暑い時間)こともあって長居をせずに帰ってきたが、ゆっくりとあらためて行ってみたいと思わせてくれる川であった。
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