川面に宝石、オイカワ

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 7月になり蒸し暑い日も増えてきた。そんなときはコンビニでつい冷たい飲み物を購入したくなる。いつものように印旛沼や周辺の川を回っているときもそうだ。そして、成田のとあるコンビニで缶コーヒーを購入し、飲みながら近くをふらふらした。そのコンビニのすぐ脇には江川という川が流れている。しかし、これもしっかりコンクリートの護岸工事が施されている。そして、すまなそうに周りを整備して親水公園風にしてある川だ。コンビニがあるということですぐそばに道路が川を超えるために橋がある。そして、ちょうどそのあたりが石が組んであるため瀬になっている。川面を見ていると、魚が群れている。青色を基調に橙色や虹色の体色が輝く!オイカワだ。まるで、宝石はオーバーとしても、鑑賞用の熱帯魚のようだ。黄金色の地に断続的に青色が魚体にあり、胸鰭や背びれの一部には橙色がはえる。日本的でない?くらい鮮やかだ。

 サイズも大き目(20cm近く)のものから、やや小さいサイズまで数匹が群れている。当然、メスもいる。メスはオスのように美しくない。鮮やかな体色はオスの婚姻色だ。いつも、この時期、蒸し暑さが始まるころにオイカワは姿を見せる。江川だけではなく、いつもいく印西市の戸神川でもこの時期に見られた。戸神川では護岸工事のあと確認はしていないが、やはり、橋の下の瀬で見られた。


 オイカワZacco platypus はコイ目コイ科の魚で、瀬、特に平瀬を好むようだカワムツやヌマムツにも似ているし、一部では交雑もしているようである。オイカワとカワムツは瀬と淀みで棲み分けがあることは有名だ。似たなかまの中で、婚姻色はオイカワが一番美しいように思える。姿もオスの広い鰭は見栄えがする。しかし、魚は上から見ると保護色となっていて、黒っぽく見えるだけで美しくない。オイカワも上から見ると上の写真のようにしか見えない。だが、横から見ると一変する。水槽で見るとそれぞれの魚が様々な姿を見せてくれる。オイカワも横から見てこそ美しい。しかし、この時期のオイカワの雄は川を斜めから見ているだけどもその美しさはわかる。
 オイカワの食性は草食性が強いということであるが、小さなサイズの魚は食べてしまうようだ。前に水槽でしいくしているときに、入れる場所がなく雷魚の稚魚の群れを仕方なくオイカワの水槽に入れたが、稚魚は一晩でいなくなっていた。
 

 コンビニの脇の護岸工事された川でもバカにせずに覘いてみるものだ。季節、時刻によってはなにかしらの発見があるかもしれない。

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