ニシキギEuonymus alatusはニシキギ科ニシキギ属の落葉低木で林内に多く2-3mほどに成長する。葉は秋に黄、紅色と紅葉し美しいので錦木という名があるそうだ。この木の特徴は枝にコルク質の翼が発達することだ。日本に広く分布するが園芸種もあり、庭木などに多く利用される。紅葉が美しいことと、枝の翼が目立つためのようだ。園芸種ではこの翼が好まれるようで、非常に発達している。一方で野生のものはあまり翼が発達しないもの多いようで、コマユミと言われることもあるようだ。この呼び名でもわかるようにマユミも同じニシキギ科ニシキギ属だ。葉は対生し、がく、花弁、おしべともに4の淡緑色の花をつけ、秋には赤色の実をつける。樹木はなかなか見分けにくいが、このニシキギは枝の翼のために一目瞭然、見分けることができる。また、この翼は焼いて火傷の薬とすることもあるそうだ。薬用や見分けるのに役立つ翼だが、これは一体、何のためにあるのだ
ろうか。植物自体に何らかの利益を生んでいるのであろうか。枝の強度を増す役目はないとのことだ。また、とげのように触れて痛みを感じるものでもない。コルクは細胞壁が厚くなった死細胞で、多孔質。多くの場合、脂肪を含んでいて、水などの通過を阻害するはたらきがある。このようなコルクの性質がなんらかの役目を担っているのだろうか。それとも単なる副産物的存在なのであろうか。とにかく、このコルク質の茎にある翼のおかげで他のものと見間違うことはないであろう。