めったにない花色、ナガミヒナゲシ

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 最近頓に目にする植物がある。道端、歩道わきの植え込みの、造成地などでよく目にする。橙紅色、ちょうどスモークサーモンのような色をしたケシ科の植物だ。名前をナガミヒナゲシという。この北総地域でも、前述のような場所で4月から5月にかけて見かける機会が増えてきた。派手な花なので車で走っていても気がつく。

 ナガミヒナゲシはヨーロッパ原産の帰化植物で1960年代に東京で発見された。その後、北関東や九州など各地から発見例があった。現在は関東地方以西、四国、九州に分布しているようだ。名前は花のあとにできる刮ハが他のケシ科の植物に比べ細長いことに由来する。ヒナゲシより花は小さめで、名前の通り、実が細長い。ヒナゲシは別名「虞美人草」といわれる植物。花は朝に咲き、夕方には散ってしまう。そのため、花が咲いているそばで、実になっているものも多数見られる。この花は一見、園芸種かと思うような感じがする花だが、園芸種として移入されたものが広まったのかは不明だ。かなり、強い植物のようでその生息域を広げている。

 この花は、あまりにきれいで、少し人工的な花弁の色から園芸種として見てしまうかもしれない。しかし、発見されてから40年ほどが経過していて、今では、各種の野草図鑑にも掲載されている。この花弁の色は他の野草にはめったにない色だ。今、佐倉市、八千代市など北総地域では、歩道の植え込みの場合、ほとんど見ることができる。植樹が絶えているさら地に生えていることが多いが、植え込みの間から花を突き出している場合もある。道路沿いの畑地の縁でも咲いている。また、造成地でもよく見る。なぜか、道路沿いに生えていることが多いような気がする。いろいろな場所で、1年ごとにその姿を見る機会が増えていると思えるのは気のせいではないような気がするのだが。

 

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