10月の末、ときどき通る雑木林わきに車を止め、農道を歩いていると一際目立つ木があった。林やフィールドもそろそろ冬に向かって色褪せていく中で淡い赤色が散らばったような鮮やかさが目をひいた。
その鮮やかさの原因はクサギ。クサギは山野、道端で林のふちなどに多い落葉低木で、クマツヅラ科の植物。高さは数mになる。花は白だが、その後、実が暗紫色になり、そのまわりのがくが赤色になる。このがくが5裂しており、ちょうど赤い星のように見える。これがたくさんつくので、前述のように目立つものとなる。
葉は対生で、そのうち1枚が大きく、他方が小さくなることが多い。葉も15cmほどになるのでかなり大きく見える。形は三角状卵形でやや、やわらかい感じがする。若いものは食用になるそうだが、さわるとくさい。そのために和名は臭木である。くさいといえばクサギカメムシというカメムシがいる。このカメムシは人家にも侵入するが、これもさわると悪臭がする。
昔はクサギの果実を染料に使ったそうである。かわったところでは酒をつくるとき、この木を燃やした灰を利用(アルカリとして)したこともあるそうである。
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クサギの実の写真
クサギの木の全体像