雑木林の大黒柱、コナラ
コナラは代表的な雑木林の樹木だ。ブナ科の落葉高木。樹皮は凹凸が適度にあり、縦方向の模様を構成している。漢字で小楢と書く。「小さな葉で、風によって音を発する、鳴る木」という意味があったようで、なかなか風情のある命名だ。
幹は基本的には茶褐色だが、さまざまな地衣類がつき、白っぽく見える場合もある。葉は先にいくに従い、幅が広がるへらのような形をしており、先はとがる。鋸歯はある。落葉の時季には、橙色、黄色などの美しい色を呈する。雌雄同株でひとつの木に尾状の雄花と小さな雌花をつける。ブナのなかまは風媒花が多いが、コナラは虫媒花とのことである。
実は俗にいうドングリの一種となる。狭義にはドングリとはクヌギの実のことだが、広くはブナ科の実をさす呼称だ。コナラのドングリはドングリらしい?形をしている。
雑木林には必ずある木であることは先にふれたが、公園などにも結構ある。特に新しく宅地開発された場所などでは公園をつくるとき、もともとあった樹木を残す場合がある。雑木林を伐採してつくった宅地では、コナラがそのまま残っているというわけである。多分、郊外であれば、近くに必ずあると思う。図鑑片手にさがしてみるとよいと思う。落葉の季節や、ドングリがおちていれば、かなり見つけやすいと思う。
このように身近な樹木のコナラだが、若い木から、老木までみると様々な樹形、枝ぶり、樹皮があり、変化も多い。
ドングリや落ち葉でさまざまな遊びができる身近な樹木だが、生物にとっては重要な資源でもある。樹液に集まる昆虫たちや、ドングリを食料とする動物たちもいる。朽木は多くの生物の棲家となるし、菌類の生活の場ともなる。雑木林を支える重要な柱のひとつだ。