初夏から秋にかけて、印旛沼につながる新川の支流、神埼川周辺によく行く。よく行くといっても時間がそれほどあるわけではないので、だいたいが朝の7時前後に立ち寄るという感じだ。季節によって、それでもいくらかの生物と出会うことができる。短い時間なので「今日の収穫はないな」というときが多い。そのような状況の中でほとんど、「必ず」と言ってよいほど出会えるのがカワラヒワだ。群れをなして飛び回っていたり、電線やアシ、セイタカアワダチソウなどにとまっていたりする。
よく見るといっても、意外と神経質なところのある鳥で、人とは常に一定の距離を確保する。こちらが気づいていなくても、一定の距離に足を踏み入れると一斉に飛び去る。
よく、出会うので「なんだ、カワラヒワか」という気持ちになりがちなのも確か。そこで、あらためて、カワラヒワをよく見てみよう。神埼川周辺ではスズメよりポピュラーな鳥なのだから。
カワラヒワはアトリ科の鳥。体の上面はオリーブ褐色をしている。割合、地味に見えるが風切の一部と尾羽の側が黄色い。そのため、飛翔時には翼の一部があきらかに黄色く見える。また、とまっていても体側面の翼の一部と尾部の黄色が目立つことでわかりやすい。体長は14.5cmほどでスズメ大だが、全体にがっしりして見え、やや、大型に見えるような気がする。日本では九州以北にいるが、北のものは冬季には移動するそうである。市街地、公園にもいるが、そのような場所では、さすがにスズメの勢力が強い。鳴き声はキリイコロロとなきジューイと囀ると「日本野鳥の会、フィールドガイド日本の野鳥」にでているが、「ビゥーィン」と聞こえる気がする。