今年の6月は異常に暑い6月だ。30度を超える日が続くと思えば台風までやってきた。昨年の7月は例年にない寒さであったが、今年の7月はどうなるのであろうか。このように、ちょっと異常気象の6月の神崎川周辺だ。水田には水が入り、その水の導入のためもあってか、休耕田も昨年同様湿地化している。用水路やそのような湿地には水生の植物が繁茂しはじめている。セッカの「チャッチャッ」という声やヒバリの「ヒーチブ」という声が響き渡っている。トンボの姿も増えてきた。
用水路にはガマ(写真、左:ガマ、右:ヒメガマ)が生い茂っている。場所によっては用水路の水面がみえないほどだ。つい見過ごしてしまいそうだが、このガマの中にガマよりスマートなヒメガマも混じっている。数はガマより少ない。ヒメガマはガマよりスマートなだけでなく、上部の雄花穂と下部の雌花穂が離れていて途中に軸がある。どちらもガマ科の植物だ。
ガマの中にイのなかまが生えていた。多分、カヤツリグサ科のイヌホタルイ(左写真)であると思われる。ホタルイと混生するそうだが、ホタルイより穂が細長い。この他にもよく見るとたくさんの水生植物のなかまがありそうだ。また、これから、目立つようになるものもあるであろう。
左はトンボ科のシオカラトンボのメス。このあたりでは本当に多いトンボでメスはムギワラトンボと呼ばれる。右はサナエトンボ科のヤマサナエのオスのようだ。大型で見ごたえのあるトンボだ。体の黒い部分以外の体色は黄色っぽいものから、青っぽいものまで変異があるようだ。胸部の模様は複雑で繊細だ。農道の上で休んでいた。
ノゲシもひっそりと咲いていた。どこにでもある植物だが、そのため、きたない場所やごちゃごちゃしたところにまぎれていることが多い。このように咲いているとちょっと風情がある。ヒバリも声高に囀りながら、上空を舞っていた。神崎川もこれから夏本番だ。