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臼井南中の近くを流れ、印旛沼へ注ぐ手繰川については前に紹介したが、今回は実際に手繰川が印旛沼につながる付近を紹介しよう。手繰川の源流は四街道方面である。その川は臼井南中付近の生谷を流れ、佐倉西高校をかすめ、水道道路をくぐり、王子台の団地のはずれを流れていく。そして京成線もくぐりぬけ、さらに成田街道(国道296号)もくぐりぬける。臼井西中のわきを通り、新先崎橋の下を流れ新川に注ぐ。実は手繰川は直に印旛沼に注ぐのではなく、新川に注いでいるのだ。新川は八千代市を流れ、東京湾にそそぐ川だ。そのころには花見川という名前に変わっている。花見川は千葉市の美浜区で東京湾に流れ込むが、そこは幕張メッセのすぐ近くだ。
手繰り川の河口近くの新先崎橋は印旛沼のサイクリングコースの一部となっている。河口の周囲は葦原や湿地、盛り上がった土手、小さな水の流れや水溜りに近い状態の地形などなかなか面白い。また、沼からやや離れると水田が広がっている。
<左:河口、奥が新川 右:河口付近の様子>
右写真の場所は小さな河川なのだが流れはほとんどない。ヒメガマが一面を覆っている。ヒメガマは上部の雄花穂と下部の雌花穂の間はあいている。なかまのガマやコガマは雄花穂と雌花穂がつながっているので見分けられる。次の写真で茶色に見えるのが雌花穂。近くのサイクリングコースは結構人通りがはげしいが、このような場所はほとんど人がいない(ただし、釣マニアはのぞく。彼らは熱心だ?)。そのため、サギをはじめとする鳥たちものんびりと休んでいる。次の写真のサギは多分、チュウダイサギとアマサギだと思う。アマサギは首のあたりがやや橙色っぽい。また、水の中には常に生き物の気配が感じられ、ときどき水面を波立たせたり、ヒメガマを揺らしたりする。水面をアメンボがすべり、コシアキトンボやイトトンボのなかまが飛び交っている。植物も動物も「こい」場所だ。
<左:ヒメガマ 中:サギたち 右:水田わきのノチドメ>
印旛沼周辺には水辺独特の自然や生物が残っている。夏休みなどを利用をして散策してみるのもよいかもしれない。