ハクセキレイ、身近で用心深い?鳥

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 ハクセキレイも身近な鳥で、広い範囲で、いろいろなところで見かける鳥。基本的には水辺にいる鳥なのだろうが、市街地や建物の屋上、開けた場所でもよく見かける。平坦な場所では草地より、砂利道やアスファルトで舗装されたような場所のほうがよく見かける。この鳥も身近でよく見かける鳥なのだが用心深い?鳥だ。意外と鈍感で近くにいっても逃げない。のだが、こちらが気づき意識すると離れる。離れるといっても飛び去ってしまうのではなく一定の距離をおいたところに降り立ち、ふらふらしている。近づくとまた、離れるという感じだ。ハクセキレイは多くの亜種が存在する。日本ではハクセキレイ、ホオジロハクセキレイ、シベリアハクセキレイ、タイワンハクセキレイなどの4亜種がいる。このあたりで、見かけるのはハクセキレイのようだ。日本で繁殖しているのはハクセキレイとホオジロハクセキレイの2亜種。ハクセキレイは北部日本で繁殖していたが、南下傾向にあるようだ。ホオジロセキレイは九州で最初、繁殖が確認されたが北上傾向にあるそうである。ハクセキレイは冬と夏で換羽し、見た目が変わる。また、若鳥も顔面が白っぽかったり、顔、胸が黄色みを帯びたりしているなど個体により少しずつ変異がある。が、全体として腹部の白、背の黒、尾をよくふること、波状に飛行することなどで他の鳥とは区別しやすい。よく似たセグロセキレイも見かけるが数はぐっと少ない。セグロセキレイとの見分け方は過眼線の下側が白いことで区別できる。
 ハクセキレイは極、普通にこのあたりでも繁殖し、建物のベランダなどに営巣することもある。写真は、建物のベランダに営巣しているときの巣の様子を映したしたものだ。時期は2000年6月〜7月にかけて。CCDカメラをしかけて抱卵から巣立ちまでテレビモニタで観察できた。人が巣に近づくと親鳥は巣から距離を置き、じっと様子を窺っていた。大胆なところに営巣するが用心深くもあるようだ。抱卵はオス、メス交代で行っていたが、メスの頻度が高いようだ。ときどき、嘴で卵を回転させたりしていた。孵化して雛になると、親は餌の確保に忙しいらしく、巣にいる時間は減少した。雛は赤褐色の肌に黒っぽい産毛がはえている。頭部を見ると毛がモヒカン刈のように見える。このときは5羽の雛がいたが、結局、無事に巣立ったのは2羽であった。抱卵に気づいたのが6月末で3週間ほどで巣立った。なお、このペアのメスは個体差によると思われるが、過眼線が薄く、特に眼の後ろ側はほとんどないような状態のメスであった。単なる個体差だと思われるが、他亜種との交雑の可能性もあるのだろうか。

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