エゴノキ、Japanese snowbell

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Japanese snowbellという英名をもつエゴノキだ。学名もSyrax japonicusと言い、「日本の」の樹木という感じを受けるが、北海道から沖縄まで、さらには中国の一部、台湾、朝鮮、フィリピンまでと分布は広い。英名のJapanese snowbellとはなかなかの名前のつけ方だと思う。雑木林のある樹木だが、公園樹などとしても利用される。4,5,6月ころに咲き、下方に向いた純白の花の姿はまさしくsnowbellだ。たくさんの花が枝についた状態は見応えがある。花弁は5深裂する。花はきれいなのだがそれ以外はあまり特徴のない木だ。名前は知っていても、花が咲いていないと似たものと非常に区別がしにくい木だ。葉柄、葉、冬芽には星状毛があるが、遠めに目立たない。葉は特徴がなく、中ほどで幅が一番広くなり、先が尖り気味の典型的な網状脈の葉だ。鋸歯はあるが低く目立たない。樹皮は黒っぽく、株立ちすることも多い。秋に熟す果実は未熟な時期、サポニンを含み、昔は魚を捕るために使われたそうだ。また、石鹸の代用とされたこともあるようでセッケンノキという呼び名もある。サポニンは油性の配糖体で、苦味がある。経口してもそれほど害はないとのことである。漁獲、石鹸などの前期の用途以外に消火液として使われたこともある物質だそうだ。利用されるのは果実だけではなく、材も素直なので様々に活用されるとのことである。花が咲いているときに確認しておくとよいと思われる樹木がいくつかあるが、樹木が苦手な私にとってはエゴノキもその中のひとつだ。

 

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