ドブネズミ

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 身近な哺乳類としてネズミの存在を忘れるわけにはいかない。都市においては、なんとなく衛生的で、ネズミ?という感覚もあったのだが、東京などではネズミの害は、今、凄まじいものがあるようだ。ネズミは我々人間から見て、大別するとノネズミ、イエネズミという分け方ができるようだ。野に棲むのでノネズミ、人家および周辺に棲むのでイエネズミという訳だ。ノネズミといわれるハタネズミやアカネズミはどちらかというと小ぶりで見た目がかわいらしいなかまが多い。一方、イエネズミのほうはハツカネズミ、ドブネズミ、クマネズミで、どちらかというと大柄である。どちらも齧歯目ネズミ科だ。もちろん、ペットとして人気のあるハムスターも齧歯目ネズミ科だ。ドブネズミ、クマネズミなどとハムスターは亜科の段階でネズミ亜科とキヌゲネズミ亜科に分かれる。ネズミはミッキーマウスに代表されるように「かわいい」というイメージと、「きたない」、「気持ち悪い」というイメージが並存する動物だ。
 イエネズミは、身近にいるので、人間の食べ物を盗んだり、家屋を傷めたりする。また、食中毒、感染症、寄生虫病を媒介するため嫌われる。小さく、かわいらしく見えるイエネズミのハツカネズミも例外ではない。ドブネズミはその中でも、一番大きく、体長が25cmほどに達するものもいる。クマネズミに比べ、垂直移動能力は弱い。クマネズミはこの優れた垂直移動能力のために屋内に侵入する生活形態が多いようだ。一方、ドブネズミは水気のあるところを好む傾向があるので、毛並みが悪く、汚らしく見える場合が多い。住む場所によって、見た目の感じが著しく変わる。都会のネズミはやはり、汚く見えることになるようだ。中には大きく、本当に汚らしく、化け物のようなものもいる。クマネズミより耳が小さく、ずんぐりしていて、目も小さい傾向にある。ドブネズミのほうがクマネズミより動物質の餌を好むとのことである。巣は野外では穴をつくり、ネズミらしい?生活をしている。人家近くではコンクリートの割れ目、様々な隙間に巣をつくるようだ。子は1回に十頭前後を産み、ネズミ算式に増える。ラット、ダイコクネズミと呼ばれるのはこのネズミの飼育による変種だそうだ。呼び方でイメージもかなり変わる。
 このように、害を及ぼすことが多いドブネズミだが、じっと見ると、ネズミのもつ「かわいらしさ」もないわけではないと思うのだが。


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