ウスバカゲロウで紹介するのがよいか、アリジゴクで紹介するのがよいか?どちらも有名な昆虫だ。脈翅目ウスバカゲロウ科に属する。成虫がウスバカゲロウ、幼虫がアリジゴクと呼ばれる。
ウスバカゲロウのなかまには十数種類がいる。中には成虫が知られているが幼虫が発見されていないものもあるそうだ。代表的なものにウスバカゲロウ、コウスバカゲロウ、ホシウスバカゲロウなどがいる。ここで紹介するのは人家近くにアリジゴクが生息するウスバカゲロウというウスバカゲロウのようだ。鉄筋家屋の近くにたくさん巣をつくっていたものだ。写真は羽化したてのもので脱皮したからが残っているのがわかる。
アリジゴクは名前の通り、すり鉢状の巣を砂地や乾燥した地面につくり、その巣を利用してアリをとらえて食べる。この巣に入ったアリはたくみにつくられた巣の形状と吹きかけられる砂粒のために逃れることができなくなる。つかまったアリは消化液を注入されて体内を溶かされアリジゴクのえさとなる。アリジゴクは2,3年を経て、成虫のウスバカゲロウへと変身する。ウスバカゲロウははかない生命の代表にたとえられることが多いが、2,3週間は生きているようだ。アリジゴクの間はふんをしないとのこと。そもそも、腸に出口がないとのことだ。
成虫は2、3週間いきているが幼虫の期間と比べれば明らかに生殖のためだけの期間なのだろう。生活の主体はアリジゴク時代のようだ。
とにかく、長い幼虫期から成虫へのまれな様子を見ることができた。6月下旬、夕方5時ころに撮影できた。