小さな水生植物園

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 9月になると市内の水田の様子も稲の収穫が終わって真夏よりさびしい。でもよく見てみると刈り取られた稲の間に様々な形の葉が見られる。特に水が残っている水田には多い。その中でも特に目立つのは狐の頭のような特徴のある葉の形のオモダカであろう。その他にもコナギ、そして、数種類のウキクサ(これは夏からおなじみ)などが見られる。これらの植物は水の中から葉を出し、通常の植物とちょっと違った雰囲気を醸し出している。

 市内には水田も多い。そこで、水生植物を観察できる環境をすこしでも身近につくれないかと考えた。水生植物は最近ではビオトープ・ブームのおかげでホームセンターや園芸店でかなりの種類が売られている。特に9月くらいになるとシーズンも終わり叩き売り状態になるので安価で購入できる。ただ、付属の札についている種類名はあまり信頼しないほうがよい。でも、前述したように水田にいけば数種類は採集できるのでそちらで手に入れればよい。シャベルや根堀とビニール袋があれば採集はできる。このとき注意するのは畦道も水田も人のものであるのでいためたり、傷つけたりしないように十分に配慮することである。また、これらの植物の多くは根を長く伸ばしていたり、匐枝を伸ばしていたりするため意外と抜きにくい。そのために水田に落ちて迷惑をかけないように注意したい。

水生植物の多くは宿根性であるそうで、次の年も生育できるようだ。手に入れた植物はプランターや水槽に赤玉土を入れて育てる。オモダカなどは数日で新しい葉を出す。ホームセンターや園芸店で売られていたものは元気がないが、これも数日で元気になる。特に水槽にすると身近な水辺を上からでなく側面から見ることができる。

ところで、プランターに赤玉土というのは典型的なメダカの飼育環境である。そこでついでにメダカも入ることとした。また、前からあったコカナダモやハゴロモモも入れる。これで水温を27度くらいにして十分な光を与えればメダカもふえるかもしれない。

ただ、これらの植物は見慣れないためなかなか判別が難しい。「クロモは葉のへりがぎざぎざで、コカナダモは葉が3枚輪生で・・・」というけれど別の資料を見ると「コカナダモはクロモと交配し広まっている・・・」などの記述もあって奥の深い世界である。だからこそ、身近に置き観察することからはじめることが大切かもしれない。(上の写真はサンカクイとその根元にあるデンジソウ、アオウキクサも水面に浮いている。下は水槽の例、デンジソウ、ヘラオモダカ、イのなかまなどが見られる。)

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