桜、そのあと 2
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 今年は上野桜木では4月はじめの週末(4月4,5日)が桜の満開だった。この週末は上野公園では道筋によってはまるでラッシュの駅のホームのような状態のところもあった。さすがに上野桜木の桜並木ではそのようなことはないがいつもよりあきらかに人通りは多かった。上を見上げ写真を撮る人も多く見られた。
 桜並木の桜は一本一本が独自の樹形をしていてあきない。桜は1年中見ているし、どの季節の桜も好きだが艶やかさにおいてはこの季節がやはり一番だ。
 上野公園には多くの(数十種類の)桜があるがここの並木の桜はソメイヨシノだ。ソメイヨシノはオオシマザクラとエドヒガンの雑種と言われていたが最近では別の説もあるようだ。もともとは精養軒近くにあったものを明治の植物学者藤野氏が発見され「ソメイヨシノ」と名づけたということを本で知った。
 様々な種類の桜がありそれぞれが美しいが都市部でなじみが一番深いのはこのソメイヨシノかもしれない。

 さて、1週間も経つと桜の木の様子も桜並木の様子も人通りも一変する。桜たちは花色より葉の緑が目立つようになる。そして、ピンク色は樹上から地面へと移る。桜の木の下は一面ピンク色の絨毯だ。そして、桜並木の人通りも少なくなり、桜にレンズを向ける人もいない。でも、よく見てみると桜は1週間前とは違う新たな表情を見せてくれている。大きく広がった葉とともにまだまだ元気な姿を見せてくれている花もある、花びらが落ちがく筒だけが残っているもの、なぜか精彩をかきしぼんだ花をつけたままのものなどなど。
  
 花が終わるとがく筒がよく見える。このがく筒が壷状だとエドヒガン系、円錐状だとヤマザクラ系。ソメイヨシノは?これは筒状、つまり前両者の中間となるということであるようだ。
 とにかく今年の桜花はすぐに見られなくなる。また、来年!

2009年4月4,5日 4月11日

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