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恐竜博2011
2011.7.6
 前から宣伝をよく見ていた「恐竜博2011」。サブタイトルは「Battle Spirits」。夏になると恐竜博が恒例のようにいろいろな場所、主催で行われる。怪獣のおもちゃを持った子連れの親子が来る光景も見たことがある。そして、会場に入って、子供の感想は「なんだ、骨ばかりじゃん!」。ということもあるので、考えての「Battle Spirits」なのであろうか?でも、今日は平日だったのでそのような光景は見られなかった。学生風のアベックが多くいたことと、恐竜ガールがけっこういたことが意外だった。恐竜ガールたちは本当にしっかり見ていて、これはというところでじっくり!という感じ。アベックは水族館や動物園でよく見られるように、女性が「これは?」という質問に男性が、笑えるような、失礼!コメントを返している微笑ましい光景が...。
 次に目立つ展示がアロサウルス。ジュラ紀の代表的な肉食恐竜だ。個人的にもティラノサウルスよりスマート感があって好きな恐竜だ。系統的にはティラノサウルスに繋がるものではないという解説もしっかりとあった。
 ステゴサウルス、いいえ、ヘスペロサウルス。本当に間違えてしまう。それを、しっかりと解説していた。背中の骨質の板(プレート)の形状が違う。ステゴサウルスは五角形、ヘスペロサウルスは楕円形。この展示、頭部が部屋の隅で見にくい。全般的に展示が窮屈だったような気がする。科博の特別展はどのような催しでも同じ特別展示室を使う。恐竜のような場所をとる展示では仕方がないのかもしれない。 
 展示は地質時代ごとに構成されているので、会場でまず目にするのは三畳紀の恐竜たち。ひとつのブースに3つの恐竜が展示されているが大きさが異なるので、まず目立つのがこのプラテオサウルス。基本は2足歩行、休むときは前足も地面につけていたようだ。 
 三畳紀の展示はあっさりと終わる。
 ジュラ紀の恐竜としてカマラサウルスも展示されていた。唐突に、何気なく展示されていると感じを受けた。
 やはり、トリケラトプスとティラノサウルスは恐竜界のビッグスターなのだろう。今回の恐竜博でもメインの扱いだ。特にティラノサウルスの腹肋骨の組み込みと小さな前足の活用方法が強調されていた。しゃがみ込んだ姿勢で獲物を待ち、立つときに前足を活用していたとのこと。また、ティラノサウルスについては今回の恐竜博では羽毛が背部を中心に存在する復元モデルを想定していた。
 恐竜の色についてあるレベルで再現できるようになったという展示。その他に目立ったのが、恐竜と鳥類の関連性に関する展示、解説、特にジュラ紀から白亜紀に繋がる期間のアジアでの成果であった。
 ラプトレックス。化石が中国で1体しか見つかっていない。推定5〜6才くらいということだが、大型恐竜のこども?などというすっきりしない解説が。でも、この会場で頭部だけとはいえ、一番素晴らしい復元モデルというか、唯一かな?
 シチパチ。白亜紀の恐竜でオビラプトルのなかまだ。オビラプトルとは「卵泥棒」の意味で、他の恐竜の卵を盗み、食らうと思われていた。この化石も卵を抱えているように見える。しかし、調べてみると抱えているのは自分の卵、つまり、卵を抱卵していたということだ。この習性が鳥類へと繋がると言われるようになった。
 第1会場の最後に再会が、マイアサウラ。子供の面倒をみることで有名な恐竜だ。これはもしかして以前、科学博物館の旧本館(現日本館)のメインホールに展示だれていたものの流用か?それであれば再会ということになるが。
 第2会場は東北地方の恐竜を中心に展示されていた。狭い上に地味な内容だが、首長竜や魚竜を中心に堅実にまとめられていた。
 東北地方の博物館の震災の影響と復興に関する展示のスペースがあった。これは本当に心配なことで、博物館、水族館、美術館など文化施設の現状は気になる。展示にあったように種々の協力や努力でなるべく多くの資料、データが見付だされ、確保されること、そして、各施設が1日も早く復旧、復活することを切望している。