3 フーリェ級数





1  正規直交系について

 これを通過しないとフーリェ級数は、計算はできても理解できてないことになります。
小生もその一人で、ヒルベルト空間をもっと勉強しなくてはと実感しています。
 しかしここは$\zeta(2)$ の値を求めるだけですので、定義と定理を簡単に並べるだけにします。

(i) 区間$[a,b]$において、関数$f(x),g(x)$が積分可能であるとき、
\[(f,g) = \int_a^bf(x)g(x)dx  をf(x) とg(x)の内積という。\hspace{10em}\]   とくに、$(f,g)=0$  のとき、区間$\ [a,b]\ $において直交するという。


(ii)\[||f||=\left\{\int_a^b|f(x)|^2dx\right\}^{\frac{1}{2}}  \hspace{20em} \]
  を二乗平均ノルムといい、$||f||=1$のとき、$f$は正規化されているという。


(iii) $関数の集合 \{\varphi_n(x) \} (n=1,2, \cdots) があって、そのうちの任意の2つが [a,b] で$
$\quad 直交するとき、 \{\varphi_n(x)\} は直交系をなすという。$
$\quad とくに各関数 \varphi_n(x) が正規化されているとき、正規直交系をなすという。$


(iv)\[\quad \{\varphi_n(x)\} を正規直交系とし、f_n=\sum_{j=1}^n c_j\varphi_j , \quad f=\sum_{j=1}^\infty c_j\varphi_j とする。\hspace{10em}\] $\hspace{2em} f$のこのような表現を(広義の)フーリェ級数展開という。

$\hspace{2em} n\geqq j  ならば  (\varphi _j , \varphi _{n+1})=0, (\varphi _j , \varphi _{n+2})=0, \cdots $

だから \[f-f_n=\sum_{j=n+1}^\infty c_j\varphi_j  は \varphi_j (j=1,2,\cdots n) に直交する。 \hspace{16em}\] $すなわち \varphi _j \perp (f-f_n)$
\[\sum_{j=1}^n c_j\varphi_j \perp (f-f_n) \hspace{26em} \] $\therefore f_n \perp (f-f_n)$

よって
$\hspace{2em} f=f_n+(f-f_n)  だから  ||f||^2=||f_n||^2+||f-f_n||^2$

\begin{eqnarray*} ||f_n||^2&=&||c_1\varphi _1+c_2\varphi _2+ \cdots +c_n\varphi _n||^2 \hspace{18em}\\ &=&\sum_{j=1}^n c_j^2||\varphi_j||^2 \\ &=&\sum_{j=1}^n c_j^2 \\ \end{eqnarray*} したがって
\[||f||^2=\sum_{j=1}^n c_j^2+||f-f_n||^2 \hspace{8em}(1) \hspace{15em}\] $\hspace{1em}||f-f_n||^2 \geqq 0$ だから

\[||f||^2 \geqq \sum_{j=1}^n c_j^2 \hspace{28em} \] $n$は任意の自然数だから
\[||f||^2 \geqq \sum_{j=1}^\infty c_j^2 \hspace{28em} \] これをベッセルの不等式という。

\[(1) \ は  ||f-f_n||^2 = ||f||^2-\sum_{j=1}^n c_j^2 \hspace{20em}\] $n \rightarrow \infty  とすると$
\[||f-f_n|| \rightarrow 0 \ \Longleftrightarrow \ ||f||^2 = \sum_{j=1}^ \infty c_j^2 \hspace{18em}\] すなわち $f$のフーリェ級数が収束し、その和が$f$に等しくなる必要十分条件は
\[||f||^2=\sum_{j=1}^\infty c_j^2 \hspace{10em}\] となることで、これをパーセバルの等式という。

パーセバルの等式が成り立つとき、正規直交系$\{\varphi_n\}$ は完全であるという。


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(2) (狭義の)フーリェ級数について

(i) 区間$[- \pi,\pi]$ で積分可能な関数$f(x)$ に対し、
\[a_n=\cfrac{1}{\pi}\int_{-\pi}^{\pi}f(x)\cos nxdx , \quad b_n=\cfrac{1}{\pi}\int_{-\pi}^{\pi}f(x)\sin nxdx \] \[a_0=\cfrac{1}{2}\int_{-\pi}^{\pi}f(x)dx \quad (n=0,1,2, \cdots ) \hspace{7em}\]
  をフーリェ係数といい \[\cfrac{a_0}{2}+\sum_{n=1}^\infty (a_n\cos nx+b_n\sin nx)\hspace{10em}\]   を$f(x)$ のフーリェ級数という。

(ii) 区間 $[-\pi,\pi]$ において、関数系$\{1,\cos nx,\sin nx\}$は直交系をなし、
 この区間で連続な関数全体の集合において完全である。


(iii)$f(x)$ が$2\pi$ を周期とする区分的に滑らかな関数ならば、$f(x)$のフーリェ係数
$\hspace{2em} a_n,b_n$に対し、フーリェ級数は収束して、その和は  $f(x)$ に等しい。

 もう少し正確にいえば \[\cfrac{a_0}{2}+\sum_{n=1}^\infty (a_n\cos nx+b_n\sin nx) = \cfrac{1}{2}\{f(x+0)+f(x-0)\}\]  が成り立つ。
 このあたりの論理の展開や証明はかなりやっかいです。




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