英語による本場のシェックスピア喜劇を見てきました
(2008年10月23日)


  先週の金曜日、国家大劇院に出かけて、本場の英国NTN劇院による、シェックスピア喜劇を見てきました。せりふは全て英語です。チケットはかなりいい席で、日本円で6000円しました。このチケットは貰った物ではなくて、自分の金で買ったものです。

  ここまで書くと、自然と私がいかに文化に関心があるか、自分で言うのもなんですが、教養が高いかが分るかと思います。更に英語劇ですから、英語が理解できるということも分ってしまうでしょう。ここで私の教養を自慢しているように聞こえるかもしれませんが、決して自慢ではありません。

  繰り返しますが、チケットは会社から貰ったとかの恩恵に与ったのではなく、本当に自腹で買ったのですここで国家大劇院について説明しておきますが、オリンピック前に、北京の人民大会堂の西に出来た大ホールで、卵型のホールの中に、歌劇場を中心に劇場と劇場の合計三つの催事場が入っています。

  この公演というのが不思議な公演で、国家大劇院に行ってもチケットを売っていないのです。それで仕方なく「黒票」を買ったのです。「黒票」とはダフ屋から買うチケットのことです。「黒票」ですから、黒票は黒いだけにチョッと薄暗いところで買いました。薄暗くても、座席の位置とか、元の値段はよく確認したのですが、肝心の演目の確認を忘れてしまったのです。これが拙かった。

  入り口近くに来て、チケットをよく見ると、莎士比亜・クラシック喜劇と書いてあるではありませんか、シャシビアとは何のことだ!莎士比亜とは? 全く聞いたことのない名前です。ところで漢字の「シャ」は莎と書かれていました。シェックスピアのことを「莎翁」ともいうようですから、もしかしたらシャシビアとは、シェックスピアのことではないのか? さらに演目を見ると「馴悍記」と書かれていたので、馴らすのことなら、もしかしたら日本で知られているシェックスピア喜劇、「じゃじゃ馬馴らしの」ことではないかと思い当たりました。

  劇が始まってみれば、「馴悍記」は確かに「じゃじゃ馬馴らし」のことでした。「馴悍記」から、シェックスピア喜劇の「じゃじゃ馬馴らし」と分るところなどは、案外私も教養があるんではないかな、などと思いました。いやいや自慢しているのではありません。

  劇の中の英語の発音は明瞭です。中国語の字幕も出ます。両方聞いて読めばなんとなく・・・・・・・。  しかし人名は漢字が介在するので、シェックスピア自身も驚くと思いますが、「これが俺名前かと驚く、シャシビア」と言うくらいですから。登場人が話す人名は、中国語で書かれる人名と一致しません。中国語の表音文字は全くダメですね。シェックスピアのことは、これでは中国語が読めたとしても、シャシビアとしか読めませんか、戯中の英語の発音と一致しませんから誰のここを言っているのか? 

  そんな愚痴を言う前に、全て英語で聞き取ってしまえば問題はないのですが・・・。

  それで、劇の内容、特にシェックスピアクラシック喜劇との本質は理解できたのか。京劇よりは、理解できましたね。あれは何を話しているかさっぱり分りませから。今まで京劇を自分の金で見に行ったことは無いような・・・・。しかしやはり英語となるなと・・・・。

  料金のことで言えば6000円は高かったのか安かったのか。実は見に行きたかったのは、「新疆交響楽団」だったのです。新疆の音楽は好きで、このところ新疆に行ったりしているし、例の再開したケバブ屋でも新疆の音楽がかかっていて、なかなか良いなとと思っていたところでした。ところが 「新疆交響楽団」のチケットぇ売っていたのですが、途中から売らなくなってしまったのです。「新疆交響楽団」は全く無名だし、チケットがまともに売れないからなのか、どこかの「単位」が借り切って、チケットは関係者にプレゼントしたのではないかと想像しました。中国ではありがちなことです。つまりただでチケットを貰った人は、そのチケットを安く転売するので、それなら半値ぐらいで買えるのではないかと、想像して国家大劇院に出かけたのです。

  芸術を鑑賞するにしては、せこい打算を持って出かけたのですが、半値どころか380元の切符を400元でしか買えませんでした。400元であっても、「新疆交響楽団」なら満足したと思うのですが。音楽を聞くのに中国語も英語も関係無いですからねぇ〜。
  ところで、北京の市民にとっては、シェックスピアの英語喜劇は、まだ10年早いって感じです。中幕になると、3分の1の人が帰ってしまうし、最期のフィナーレが終わると、観客はさったと立ち上がって、帰り支度を始めるし、役者がアンコールで再登場してきましたが、観客はもう半分位立っていて、状態から見るとスタンデングオペレーションのように見えるのですが、実は早く帰りたいのが見え見えでした。それに中国人はなかなか拍手しませんね。私はマナーを知っているので拍手をしましたが。これって自慢に聞こえましたか? いやいやそんなことは常識ですから、そんなことで自慢はしません。

  それにしても、芸術を鑑賞するには、自分の金で見るのでなければなりませんね。私は自分の金で見ました。しかし間違えたものを見たのでは、やはり自分の金が無駄になったというべきなのか・・・・。無駄にになったとは思いたくないのですが。