上海蟹を買って来て食べたのだが
(2008年10月20日)


  昼休みによく行く野菜市場に行ったら、サツマイモがたくさん並んでいました。500g1元だそうで、15円くらいってことですね。値段が表示されていましたが、北京の野菜市場で、値段が表示されているのは珍しいです。街角の焼き芋売りも既に出現しています。しかしこの焼き芋売りが哀しいのは、何時も「城監」という組織を恐れて、その姿を見れば直ぐ逃げなければならないことです。「城監」というのは逮捕権などは無いようで、取締り方法としては、焼き芋を焼くドラム缶を没収するという手段をとります。没収と言っても書類を交付することは全く無く、ただ没収するだけ。「城監」という組織もなんか悲しい仕事のように見えますが。

  野菜市場に行った理由は、上海蟹を買いに行ったからです。今年初めて上海蟹を買った理由は、ようやく北京ダックを一匹分食べ切ったからです。「鴨一匹分」の話しは前に書きましたが、一匹分と言って内臓と水かきはついてなかったですね。内臓のうちの肝臓は美味しいんですけど。肝臓と水かきは別の料理に使ったのでしょう。鴨の水かきは芥子和えの料理にします。これもダックの名物料理の一つなのですが。自分で作った鴨肉の味噌煮は意外と日持ちがしました。

  上海蟹は、野菜市場の奥の水産物売り場で買いましたが、一斤(500g)26元に値下がりしていました。オス二匹で380g位だったように思いますが、20元だと、即座に答えが返ってきて、380gでは本当に26元なのか、騙されていないのかと、暗算ができない私は疑念が沸きましたが、まあ、いいやと思って、20元で買いました。念願の今年初の上海蟹です。

  味はどうだったか? 美味しかったですよ。美味しかったのですが、大きいカニを買ってきたにもかかわらず、肝心のカニ味噌の部分が少なかったのです。何故なのか? こんなのは初めてのことです。安いのが悪かったのか。中国のことだから騙されたのか?

  騙されたかどうかは分かりませんが、ネットで調べてみると、味噌が多いか少ないか、見分ける方法があるんですね。「味噌が多い蟹は、甲羅の後ろの部分が盛り上っている」と書かれていました。毎年上海蟹を買っていますが、今まで気が付きませんでした。一つ勉強になりました。次はチャンと、甲羅の後ろの部分を確認して、再チャレンジするつもりです。上海蟹は蟹味噌が肝心なところですからね。

  昼休みの食事は、ケバブ(羊肉串)とラグマン(拉条子)にしました。ウイグル人がやっている店が再開したからです。もう3年ぐらい通っている店ですから、私が「帰ってきたの?」 と聞くと店の全員がニコニコ顔で迎えてくれました。店の全員と言っても小さい店ですから、一家三人でやっている店です。聞いてみるとやはり北京から三ヶ月くらい追放されていたようです。住むことを許されないので、カシュガルに帰っていたそうです。羊肉串屋は回族もよく営業していますが、回族の方は追放などはされなかったようです。しかしウイグル人は駄目だったようで、その理由はあのウイグル顔が危険なのか。それともウイグル人は思想が悪いのか? 

  今の季節、カシュガルでは果物が何でも美味しいと言っていました。私はカシュガルに二回も行ったことがあるので、「石榴も美味しいよね、甘いのと、すっぱいのとがあって」と私が答えると、ウイグル顔のお上さんもうれしそうでした。

  私にとっても、ケバブ屋が再開したことはうれしいです。というのは、弁当を会社に持っていかないようになってから、昼飯を食べるところがなくて、困っていたからです。会社の地下には食堂がありますが、そこは美味しくないし。中国では一人で食べられるレストランまたは食堂が少ないでのです。せめて吉野家でも近くに来てくれればいいのですが。

  弁当を会社に持っていかないようになった理由は、以前にも書きましたが、会社で弁当を机で食べえることが禁止になった上に、指定された場所は、トイレの脇で、立ち食い式に食べる廊下のような所だったからです。中国人は余り食べるところを気にしませんね。これは私の独断ではありません。新入社員の日本の留学から帰ってきたばかりの女性が、「中国ではありがちなことですよ」と教えてくれました。オリンピックが終わって、建築工事が再開した北京では、出稼ぎ工が、よく道端で食事をしています。食事は片手にマントウを三つを掴んで、もう一方に炒め料理一種類だけの容器です。中には立ったまま食べている人もいます。