雲南省の建水にある団山古村の旅行記(2008年2月20日)


   今年(2008年)の春節に、雲南省の元陽に棚田の写真を撮りに行きましたが、その途中、建水に一泊して、建水とその周辺を観光することにしました。建水と言うところは意外に良い所で、意外なところに意外なものが有ったという感じでした。旅行日程を決める前までは、この辺りに、団山古村という古い村があることには分かりませんでしたが、旅行するにあたって建水に付いて調べてみて、初めて分かりました。

  建水は雲南省の紅河ハニ族イ族自治州建水県というところに在るのですが、このように書くと、大変辺鄙なところのように思えますが、北京から行くには簡単です。午前の飛行機(三時間とちょっと)で昆明に着いて、昆明から直通バス(三時間位)で建水に着きますから、北京からその日のうちに建水に行けます。団山古村は建水県の建水から13kの所にあります。乗合バスも有りますが、タクシーをチャーターして行けば、簡単です。他の観光地(全部で三箇所)も含めて、3時間半くらいで、120元でした。1800円位ですから安いです。



  ここがどんな所かを中国の言葉をもって紹介しますと、「19世紀の南・雲南の特色風貌と、伝統社会の人文環境が完全に保存されている原生態村落」であることと、「雲南で最も精美な古民居群」と言うことで、団山古村は2006年に、世界記念性建築基金によって、世界記念性建築遺産の保護リストに登録されたそうです。この世界遺産はいわゆるユネスコの世界遺産とは違うのか?

  そのことは良く分かりませんが、確かに精美な古民居群がありました。多くは清朝末から民国初期の建築だそうです。しかしこの村の歴史は古く、明代の洪武年間に張という人が江西省から移住して作った村だそうで、今でも80%の姓は張さんだそうです。村には200戸、1000人近い人が住んでいるそうです。村の中には四合院が15、村への入り口の大門が4、寺廟が3、祖先を祭る宗祠が1つあるそうです。ほかにはイ族の伝統を取り入れた、土掌房といわれる民居があるらしいですが、華麗な四合大院の装飾に目を奪われていて、それには気が付きませんでした。

  普通、中国の古民居と言うと、木の彫り物、石の彫り物、レンガの彫り物によって装飾が施されているところが多くて、ここの紹介にもそう書いてありましたが、ここの特徴は華麗な木の彫り物が特に多いことだと思われます。扉の木戸にたくさんの精緻な透かし彫りが施されていました。今までに見た古民居の中で、木彫について言えば、ここが一番華麗な物でした。

  しかし、世界記念性建築遺産の保護リストに登録されたにしては、荒れたままの建物も多く、修理がされた様子は無く、保護の手が届いているようには見えませんでした。

  しかし、華麗ではあるが、荒れたままの四合院に、そのまま村民が住んでるということもまた凄いと思えました。扉の木戸が透かし彫りであるということは、冬でも外気を遮断できない(ガラスが一切使われていない)わけです。村人の生活の仕方も極めてオープンで、居間や台所は開け放してあって覗けたりして、生活の方法も空気と同じようにオープンなようでした。

  というわけで、精美な古民居群も、ここの人たちの生活ぶりにも興味がありましたが、これからの村人達の生活はどうなるのか、そんな事にも興味が湧きました。なにも変わらず、ガラス戸もないまま、木彫りの欄間が荒れるに任せたまま、ここでの生活が続くのか、それとも多少はあの華麗な彫り物に、修理の手が加わるのか。修理するといっても、あれを修理するには相当費用が掛かると思われます。入場料は20元でしたが、それくらいでは修理などできそうにもありません。

  尚、ここでの観光について私からのアドバイスを言うとすれば、ここの観光には、中国語が分からなくても村のガイドを雇うべきです。ガイド料は10元ですからたいしたことはありません。ガイドを雇えば、見るべきとろに案内してくれます。村のガイド無しでは四合院の中まで覗けないし、自分だけでは重要な部分を見逃すことになるでしょう。それにガイドがいれば、村の人の生活や部屋の中を写真に撮っても良いかどうか、ガイドに確認できます。10元をケチらないでガイドを雇うべきです。