マホメットの子孫とも友達である理由(10月21日)


  マホメットの子孫である友達は一人だけでなく、7,8人はいます。最近も、私が住んでいる牛街でラマダン明けのお祭りがあったのですが、回教寺院で祈っている人込みの中に、その友達が二人もいました。その時は気が付かなかったのですが、後で会ったら、回教寺院で写真を撮っていただろう、なんて言われてしまいました。私が目だったのは高いところから写真を撮ったからでもあるし、私の容貌が目立つからでもあると思います。私の容貌とは額が相当広くなっていること、老人もかかわらず赤いセーターを着ていたことなどが理由でしょう。中国の老人は赤いセーターなど着ないようですから。しかし人人人の中に私の友達が居るなんて意外でした。

  後で、回教寺院での祈りの場面の写真を見てみたら、ちゃんとその二人の友達が写っているのを発見しました。後でその写真をあげようと思います。友達ですから。(その写真は10月13日の日記の中にあります)

  私がマホメットの子孫とも友達になった経緯を話すと、話がちょっと長くなるんですが。私は潘家園の骨董市場にしょっちゅう行っているのです。それは甘粛省から出土する土器や石器を、たまには買うためです。買わなくても、それ以外の偽物を見ていても、また偽物を売っている! とか、こんなガラクタを並べていて、売れるんだろうか? なんて思いながら骨董を見ているのは楽しいからです。潘家園の骨董市場に行くのは、最近の健康法でもあります。潘家園の骨董市場は中国一大きいとかで、歩き回ると結構運動にもなります。

  実は、「回教寺院で写真を撮っていただろう」と言われたのは、牛街で写真を撮って、その後潘家園の骨董市場に行った時、行ったとたんに言われました。マホメットの子孫達もラマダーン明けの祈りをした後、何時ものように潘家園で商売をしていたのです。

  甘粛省から出土する彩色土器や石器は結構きれいです。その写真も興味がある方は、ホームページにありますから見てください。その話は置いておいて、一度そういう物を買ったりすると、相手が自動的に友達にしてくれるのです。どうして友達になったことが分かるかというと、「友達だから、安くしておくから、これを買っとくれ」とか、私が「これは偽物だろう」というと、「友達だから、騙さないよ、偽物じゃぁないよ」なんて言うからです。しかし実際は偽物を売りつけようとする友達でもあるんです。それに友達値段でもないし・・・・、 用心しなければならない友達なんですが。

  甘粛省のから出土する土器を売っている人物は、甘粛省の臨夏市辺りから来ている回教徒で、甘粛省の臨夏市と言えば回族が多いところです。その回族の姓は殆どが「馬」で、90%が「馬」だとか。何故甘粛省臨夏市の回族の馬さんが、北京の潘家園骨董市場まで出てきて商売をしているかと言うと、臨夏辺りでは、土器や玉(ぎょく)器という物が大量に出土するからで、それを売りに来ているのです。現代の中国人は玉(ぎょく)が大好きで、よく首に玉(ぎょく)をぶら下げていますが、そのルーツは甘粛省の臨夏市あたりにあるのです。 私は玉(ぎょく)器は買いませんが、トルコ石で象嵌された石器や彩色土器なら時々買うことがあります。だから潘家園の「馬」さんの間では、私は結構知られているらしいのです。

  この甘粛省臨夏市から北京に来ている回族人達は、結構戒律に厳しく、酒タバコはやらないし、ラマダンの間は、ちゃんと断食をするらしいです。ですから断食が明けたあと、回教寺院にお祈りに来たのでした。

  その「馬」さんの名前の由来なんですが、「馬」は中国語でマーと読み、マホメットの子孫という意味だとか。だから私はマホメットの子孫とも友達であるわけです。私がマホメットの子孫と友達である理由が分かったでしょうか。

  しかし、そう言ったことで友達になったのは、マホメットの子孫達だけではなくて、他にもいます。パリにいる骨董屋をやっている姪の為に、琉璃廠で仏像などの骨董を仕入れたのですが、そこでも骨董屋のおばさんが、私のことを勝手に友達にしてくれました。しかし友達のおばさんから買った古い仏像は、中身はプラスチック(後で分かった事ですが)とのことでした。友達だと言いながら何たる事でしょう。

  そうそう、子孫ということで別のことを思い出しましたが、アレキサンダー大王の子孫らしき人の写真を撮ってあげたこともあります。新疆ウイグルの西の国境近くのカラクリ湖というところで、イスカンダルと言う人の写真を撮ったことがあります。イスカンダルはアレキサンダーの別の言い方だとのことでした。