天安門広場に恐れおののくタクシー運転手

  天安門広場の東側に、宮廷料理の店があって、わが社では接待によく使う店があるのです。そこにタクシーで行けるのですが、普通のタクシーにそこに行ってくれと言うと、タクシーの運転手はただ震えるばかりで、そんなところは行けるはずはないと言うのです。ばかばかしくも可笑しな話なのですが、そして何故だか理由がハッキリしないのですが、天安門広場の東側にタクシーを止めることはとても恐ろしいことであるようです。

  正確に言うと、運転手が震えるほどではありませんが、会話が成立しなくなるのです。天安門広場の東側の道はタクシーが通れますが、その道の東側の店に少し入って、止めてくれ言うと、そんなことは絶対に出来ないと恐れおののくのです。 

  その宮廷料理の店の前には駐車場があって、駐車場に車が入れるのだから何の問題もない。我々は何時も車でそこまで行っているのだからだと説明しても、その説明が聞けないのです。ただただ、あそこには止まれないと言うばかりなのです。

  なおも、車を止めるのはなにも問題が無いと説明を続けると、ついには運転手は興奮状態になり、ワーワーと何やら喚きだし、怒り出したりもします。

  その宮廷料理のレストランは最近良く使うので、度々タクシーで行くのですが殆ど何時も運転手が同じ状態になりますので、仕方ないので前門のあたりで降りて歩いていくことになります。

  この話が嘘だと思うなら一度、タクシーの運転手にそこ行ってくれと言ってみてください。もしそこに行ければ、そこの料理は結構美味しいですよ。少なくともばかばかしい辛さの料理はありません。マイルドな味の宮廷料理です。そこのレストランの名前を入力すると文字化けするので入力できませんが、○膳飯庄と言うレストランです。しかし上のような事情があるせいか、お客は少なくて、いつも早く閉まってしまいます。最後になるのはいつも我々で、日本人はだらだらと酒を飲みますからね。その点中国人は食べたら終わりです。

  しかし不思議です。そこに行ってタクシーを止めてくれというと何故あんなに異常に興奮するのでしょう。タクシーの運転手はそこにタクシーを止めれられることを知らないからなのでしょうが、知らないことを教えてあげようとすると、何故か興奮するのです。天安門広場には、何かタクシーの運転手を恐れさせる何かがあるのか? 以前何か嫌なことがあって、それが運転手のトラウマになっていて恐れおののくのか?  それにしても多くの運転手が同じ状態になるのが不思議です。

  なお、天安門広場や天安門の前の長安街は駐車禁止になっていて、警官も多いのは確かです。もし、皆さんが故宮の見物を終えて、疲れて果てて天安門の前に出てタクシーを拾ってホテルに帰ろうと考えると大変なことになります。あのあたりはずっとタクシーを止めるところがありませんから。

  オリンピックまであと、500日を切りましたが、それまでにはタクシーの運転手とお客との会話がチャンと成立するように教育をするとか、天安門広場の東側のレストランにタクシーで行くことは問題が無いかことを教えるとか、更には天安門からどちらに行ったらタクシーが拾えるのか案内の表示を出すとか、まだまだ改善すべき点は多いように思います。

  でも、繰り返しますが、何故あんなに運転手が興奮するのか、不思議です。天安門広場にはタクシーの運転手を恐れおののかせる物の怪でも住んでいるのでしょうか。