中国のぶどう酒は赤い

  中国では白ぶどう酒が買い難いので、その愚痴話である。ぶどう酒が赤いのはあたりまえだが、中国では殆どのぶどう酒が赤いのであって、白ワインはあまり売っていない。北京市にある我が家と会社の間にある二つの大きなスーパーでさえも白ぶどう酒は殆ど売っていない。これは何故なのだろう。これは味がどうのこうのと言うより中国人が赤い色が好きだからなのではないだろうか。大体、中国人はどんなときにぶどう酒を飲むかというと、多分お祝いの時とか、お洒落なレストランに恋人と行ったときとかだけの酒で、イベント用の酒なのである。つまり普段に飲む酒ではないようである。

  中国人は赤が好きだから、特別な時にはイベント用に赤い酒を飲むのだと思う。中国では赤ワインは赤いが故に存在価値があるが、白ワインは白いが故に中国では殆ど存在価値がない。中国人に言いたいのだが、ワインは色ではなくて味で選んでもらいたい。そうすれば中国でも白ワインがスーパーに並ぶようになり、私も買いやすくなると思うのだが。実は私は白ワインの方が好きなので、それを買いたいのだけれどなかなか買えないのが中国の現実である。

  中国人が赤が好きなのは、年末の紅白歌合戦を比較してみれば分かる。中国にも年末に歌と踊りの年末の晩会というのがあるが、中国の場合、この画面は真っ赤になる。一方、日本のは水色とか濃いブルーとか寒色系の色が目立つ。昨年の年末には日本に帰って紅白歌合戦を見たが、やはり色彩はあまりけばけばしくなかった。もし紅白歌合戦を中国式にけばけばしく赤で飾り立てたら、日本では視聴率がもっと下がるだろう。

  紅白歌合戦を比較するまでもなく、中国人が赤が好きなのは、街の広告を見れば直ぐ分かるし、道教の廟などに行けば直ぐわかるのだけれど。そうそう、最近は行っていないが、神秘的な鍾乳洞さえも照明で真っ赤とかになっている。身分証明用の写真の背景なんかも赤くなっているのが多い。