人妻から秘密の軍の飛行場の話を聞き出す

  この話は私が秘密だと勘違いしてしまっただけのお話なんです。実は会社のある人妻にどこから通っているのかと聞いたところ、西の方の軍の飛行場に住んでいると言うのです。続けてそんな飛行場がどこに有るのかと聞いたら、西の方の飛行場だと言うので、中国の電子地図で探してみました。実は中国の電子地図は、実にお粗末でしたが、最近「百度」という中国語のサイトで、「地図」が出来て中国全国の地図がかなり良く見えるようになりまたした。

  アドレスは <http://map.baidu.com/>  

  しかし、北京の西の方に有るという飛行場がどうしても見つかりません。その人妻が地下鉄のどこどこの駅で降りて北に行くというので、そのあたりを探しましたが、やはり見つかりません。それでアメリカの会社の Google maps で探しましたら、軍の飛行場がバッチリ見えます。

  アドレスは <http://www.google.com/maphp>  

  どうも中国の地図では飛行場の存在を秘密にしたいようです。Google maps の 中国の地図は全くダメですから、航空写真の方で見てください。航空写真から北京の位置を探すのはなかなか難しいですが、日本語で北京と入力して検索すると北京の位置に飛びます。北京の北西の郊外に頤和園という観光地がありますが、そこに昆明湖という大きな池(湖?)が見つかるはずです。そこが探せたらその大きさを保ちつつ少しずつ南下すると、はっきり秘密の飛行場が見えます。

  「百度地図」の方では四環路と五環路の間に位置しますが、そこは全く空白になっています。文字通り空白で白々しい感じです。道が途中で途切れたりしていて、却ってそこには何か秘密の設備があるのではといった事を推測させる空白です。また北京の南には南苑飛行場が有るのですが、そしてここは最近、ハルピン(多分?)行きの民間航空機が飛び始めたのですが、ここも空白です。 一部軍用にも使用しているからでしょうか。

  ところで、その人妻は秘密の飛行場の存在をうっかり私にばらしてしまったのか? そんなことは有りません。そのあたりに住んでいる人なら、そのあたりに軍の飛行場があることを知っていると思います。 本当の秘密基地なら、その基地から外に働きにいけるははずはありません。地図に書いてないので、私が勝手に秘密だと思ってしまっただけなのです。実際に、北京市内にもあちこちに軍関係の施設がありますが、どれも地図に載っていません。軍隊の秘密は少しでも漏らしてはならぬというのは、毛沢東時代からの伝統のかもしれません。そんな恐怖心があって未だに地図に載せられないのかもしれません。それに Google maps で見れば、どんな機種の飛行機があるかなども丸見えです。世の中は新しい技術で変わってしまったのですが、中国の地図の製作者は毛沢東時代の恐怖政治の恐怖心が残っていて、未だに地図に軍の施設の名前さえ書き込めないようです。

  私は地図をよく使用するほうだと思いますが、長く北京にいても西の方に軍の飛行場があるなんて全く気が付きませんでした。地図には飛行場の形どころか名前さえも載っていなかったのですから当然なでんですが、実は、ユン・チアン作の「マオ・誰も知らなかった毛沢東」を読むと、毛沢東時代の恐怖政治の話と共に、北京の西の西山あたりに、ソ連との冷戦時代にソ連の攻撃を恐れて、毛沢東が西山の施設に隠れていたなんてことも書いてあります。それで西の方には軍事施設が多いのではないかなと思っていました。今、Google maps で見れば、毛沢東が隠れた施設も見つかるかもしれません。何しろ毛沢東が作らせたのは核シェルターのように頑丈な物だったと言いますから、ハッキリと見える可能性は有ります。

  人妻の話もチョッと書いておかなければなりませんが、人妻と書いたのは我が社に30才台の人妻が入社してくるのは珍しいというだけの話なのです。そうなんです。何百人もいる社員の大部分が若者で、人妻が入社してくるのは珍しいのです。新妻で入社してくる人はいるようですが目立ちません。我が社の平均年齢は27、8歳くらいなのです。日本の会社とは違うのです。この人妻で入社してきた人は、日本語が上手いのですが、この人にあまりご主人の仕事のことは聞かない方がいいかもしれません。ご主人は軍の後勤部に勤務とかで、その軍の飛行場の中に住んでいるわけですから、ご主人の仕事の話を聞き出すと、軍の機密に触れることになるかもしれません。

  蛇足ですが、人妻の話を付け加えておきますと、人妻が入社してくるのは珍しいと書きましたが、人妻が社内に居ないわけではありません。今我が社にはお腹が大きくなった人が四人もいて、その人達は情報交換の為か、何かとよく集まるようです。その人達が揃って反り返って、のっしのっしと歩くと圧巻ですね。この姿は、中国では一人っ子政策ですから、初めてのたった一人だけの子供を生むための準備中の姿です。この方たちは全員がエプロンのようなものを着て仕事をしています。お腹を隠す為かと思って聞いてみたら、パソコンからの電磁波を防ぐ為だと言っていました。会社はソフト開発会社ですから、全員がパソコンの前に座って仕事をしているのです。