臍出しルック

  北京の街を歩いていると、臍がチラチラと見える女性がとても多い。露出度が高いわけである。これは新しい流行であるから、日本ではもっと流行を取り入れて、もっと臍が見えるかなと思ったら、日本に帰ってみると、意外にも日本ではそんなに臍が見えない。

  日本の女性の場合、意外と露出度が高くなのである。日本女性は中国女性より露出度が高いのを好まないのかとも思った。

  一方北京女性の露出度が高いのは、彼女達の親父さんとか男性たちの露出度の高さとも関係があるのかなとも考えた。何しろ今頃の暑さになると、彼ら男性はすぐシャツを捲り上げて腹を露出するのである。勿論上半身裸にもなるが、暑さ対策としてすぐにシャツを捲り上げて腹を露出することが多い。更には冷却効果があるのかどうか分からないが、その腹を撫で回すという行為もよく行なう。その腹というのが見事な太鼓腹なのである。中国人はスマートで背が高いなんていう人もいるが、肥満で腹が丸く突きたおやじの割り合いは日本人よりずっと多いのは間違いない。その見事な腹を公衆の面前で、人目もはばからず、シャツを巻上げて腹を撫で回すのである。太鼓腹のおやじだけではなく、腹の出ていない若者もこれを行う。

  でもって、若い女性はそれをいつも見ているから、臍を露出するのに抵抗が無いのかな、なんて理屈を考えた。

  一方、日本の女性は露出に慎重なんだろうか。いやそうでなくて、日本の女性の場合臍出しルックもするし、そうではないおしゃれもするということではないだろうか。日本人の場合、いつも臍出しルックをしていたのでは、別のおしゃれが出来ないことになる。

  会社の女性の服装を見ていると、日本人のように有り余るほどには衣装を持ってはいない。実は物を持っている程度の差(日本人と中国人との)は相当な開きがある。私の場合、引越しのとき、引っ越し屋のお兄さんが、私のネクタイの数を見て驚いていた。なお、私が持っているネクタイの数は日本人の平均だと思う。それはともかく、中国女性の場合余り着替えをしないし、あまりTPO を考えない。そう考えると、中国女性の露出度が高いのは、露出が好きだというより、北京の夏はとても暑いから、服装は、短く、軽く、簡単なほうが良いと言うだけなのかもしれない。しかしとにかく北京のほうが露出度は高いのである。やはり露出には、腹出しおやじの影響で抵抗が少ないのかもしれない。

  そういえば、さすがにわが社の中では余り臍を見かけない。やはり中国でもオフィスでは臍出しルックは相応しくないのだろう。