今日の日曜日も、黄葉の写真を撮りに行きました。連続三週間の黄葉の写真撮影です。幸いなことに日曜日だけは天気がいいのです。黄葉の写真は、今年はこれで最後かもしません。北京はもうすっかリ寒くなりました。夜はマイナス1度になるそうです。

  本当は紅葉の写真を撮りたいのですが、紅葉が無くて、有るのは銀杏の黄葉だけなので、仕方がありません。しかし、銀杏の黄葉でも、黄葉に日が当たる裏側から撮ると、黄色が際立って綺麗に撮れます。

  今日は中山公園に行きました。公園の南側に多い銀杏の写真がきれいに撮れたので、気を良くして公園の奥の方に進みました。
怪しい集団がいた。

  すると中山公園の奥に、多勢の謎の集団がいたのです。百人以上の人が集まって、何か集会をやっているようでした。話し方が、何かひそひそと話しているようで、ちょっと怪しい感じもします。私が興味津々でその中に入って行くと、あるおばさんが私の顔をみて、目が合うと、私に男か女かなんて聞くんです。私はむにゃむにゃと言って目をそらすのですが、また別の人と目が合うと、またも男か女か、と聞いてくるのです。私はどう見ても女には見えないはずです。

  そして多くの人が何か手に持っていて、メモを取る人も多いようです。何か連絡先など重要なことをメモしているようです。

  そのうちこの謎の集団の写真を撮っておかなくてはと思い付きました。こう言う光景はめったに見られないので、写真に撮ろうと思ったのです。カメラを構えると、後ろからある男が、写真を撮ってはダメだというのです。何でダメなのかよく聞き取れないのですが、彼の言うには、こう言う写真が外国に流れると・・・・・・ なんて言っているように聞こえました。


  私はこの謎の集団に興味津津ですから、何故写真を撮ってはいけないのか、ここでちゃんと聞いておかなければならない場面でした。しかし相手は私を完全に中国人と思っているようで、ここで私が「よく聞き取れない、ゆっくり話してくれ」なんて言うと、中国人でないことがばれて、ややこしいことになるかなと思い、分かった分かったと言って、写真を撮るのを止めました。

  この謎の集会は何なのか。確かに外国人が何とかかんとかと言っていました。何故外国に知られるとまずいのか、もしかして法輪功とか、それに近い宗教集団か・・・・・・
やはり怪しい集団


  集団の中に入っていって、よく見ると、多くの人が何か書いてある紙を持っていて、その紙切れには「男、38歳、177cm、未婚、大学卒、公務員、2DKの家有り。相手には32歳まで、初婚、165cm以上、戸籍は北京にある人、性格が明るい人を求む」 などと書かれた紙を持っています。

  この会は、どうも結婚の相手探しの交流会のようなものであることが分かりました。結婚の相手といっても、自分の相手ではなくて、親とか親戚が探しに来ているようです。
  
  私に男か女かと聞いたのは、あなたの子供は男か女かという言う意味なのですね。私も自分の子供の相手を探しに来たと思われたのでしょう。

  各々の人が持っている「つり書き」をよく見るとある特徴があることを発見しました。その一つは、学歴は大部分が大学卒であることでした。もう一つ気が付いたことは、全員が背が高いことです。男の背の高さは最低でも172cm位、女子は165cm以上だったか? 

  年齢は42歳の未婚の男性もいたし、女子では離婚したとか、子供がいると書かれていました。このあたりはハッキリと書かれているのですが、背が160cm代の男性が一人も居ないとは。 中国人は日本人より背が高いのか。それともこの集会には背の高さの制限があるのか。

  どうもそう言うことではなくて、多分背が低い人は、つりがきに書かないのだと思います。いや恥ずかしくて書けないのかもしれません。親同士の探り合いをそれとなく聞いていると、やはり背の高さに対する条件は、厳しいようで、家の子供の要求は175cm以上でなければ・・・・なんて言っているのが聞こえました。だんだん分かったことなのですが、結婚の相手を探すとき、背が高いと言うことは、結婚の条件において極めて重要なことらしいです。

  私に声をかけてきたおばさんは、私の背の高さを値踏みして、「この位の背の高さなら、その息子はもっと背が高くて、175cmはあるかもしれない」と想像したかもしれません。

  結婚の条件に背の高さがあるのは日本でも同じですが、なんか中国の場合は、背の高さに対する要求は異常に厳しいものがあるように思われます。では背の低い人はどうするのでしょう。多分詳細を説明する時に、実はうちの息子は、背が165cmしかなくてなんて、恥ずかしそうに言うのかもしれません。どうもそんな雰囲気でした。なお、紹介のつり書きには、収入は書いてなかったように思います、これも聞かれれば言うのでしょう。

  大部分の人は大学卒業の経歴の人が多かったのですが、私に声を掛けてきた人は、私の顔をみて、この人の子供ならきっと大学を出ているはずだと見当をつけて、私に声をかけたのかとも思いましが、実は、これはどうもうぬぼれだったようです。

  これも後で分かったことなのですが、この集会は「白領」を対象とした、花婿花嫁探しの会だったのです。「白領」とはホワイトカーラーとかインテリにとか訳すのかもしれません。自らを「自分は白領に属している」と言うのも、何かチョッと引っ掛かりますが、とにかく対象は「白領」に限られた会であるわけです。「白領」の為の相手探しですから、親の顔が、教養と知識から程遠い顔をしていても、子供は大学を出ているのだろうとは、容易に想像はできるわけです。ですから、この条件は殆どの人が満たしているのでしょう。それより気になる条件は背の高さのようです。北京人にそんなに背の高い人は居ないのに。平均的には日本人の方が背が高いでしょう。

  日本と事情が違うのは、女性の戸籍に北京人を求めると言うのがあるかもしれません。北京人の母親から生まれた子供は北京の戸籍が持てるという特典があります。北京の戸籍であると、それこそいろいろと特典が付くのです。

  この集会は、日曜日の一時から五時まで、中山公園で毎週あるので、この集会に潜り込んで、聞き耳を立てていればもっと面白いことが分かりそうです。写真を持っている人も多いので、こっそり脇から覗いてみましたが、結構綺麗な人もいました。でも目が合うと、「お宅は息子さん?」なんて聞かれそうで、聞かれると冷やかしであることがばれてしまいそうです。

銀杏の写真を撮りに行って、謎の集会に出合う