ある人から、中国の夫婦喧嘩を見たことがあれば、そのことを書いて欲しいと言われた。そう言われても、最近は夫婦喧嘩を見た事がないし・・・・・・ 、以前は見たことがあるが、ただ見たというだけのことで、特別な印象もないし・・・・・・、喧嘩を探して当てたとしても、何を言っているのか分からないだろうし・・・・・・。

  しかし、よく考えてみると、二年前には前の家の、上の階の住人はしょっちゅう夫婦喧嘩をしていたのを思い出した。思い出したが、やはり喧嘩の経緯など分からなかったから、何を書けばいいのか・・・・・・。喧嘩の傾向、例えば、旦那が帰ってきたときに、喧嘩が始まるとかの傾向があれば、中国の夫婦喧嘩についての考察ができるのだが。

  それで思い出したのだが、喧嘩の声は、ドアから出てドアから入ってくるのである。壁からとか天井からではなく、ドアから入ってくるのである。

  話はややこしいのだがもっと前の、喧嘩と関係がない話も思い出した。そっちの話は、会社の中国人の話なのだが、彼が住んでいるアパートに、日本人の女性が居るらしく、日本語が聞こえてくるというのである。これはたんなる夫婦の会話なのだが、女性の方が日本人らしいとのことであった。その話し声がいつも聞こえてきてきて、煩いと言うのである。おしゃべりな日本女性なのかもしれない。

  それを聞いた私は、その夫婦は上に住んでいるのか、下に住んでいるのか、隣に住んでいるのかと聞いてみた、答えは斜め下だと言うのである。斜め下なら聞こえてもそんなに煩いはずはないだろうと言ってみた。しかしよく聞こえると言うのである。そのときは斜め下の階から、日本語がよく聞こえてくる理由がよく分からなかった。

  暫くして私の上の階の夫婦がよく喧嘩していることに気がついた。そして喧嘩の声は一旦上の階のドアから出て、階段を伝わって、私の家のドアから入ってくるようであった。そのとき初めて、以前聞いた日本語が斜め下の階から聞こえてくる理由がわかった。やはり話し声はドアから出てドアから入って来たのだろう。

  このことは中国の家の作り方を見れば、よく納得できるのである。中国の家はドアを開けると、いきなり居間なのである。日本なら玄関があって廊下があって、その奥に居間があったりするから、居間の声がそんなに外に漏れることはない。しかし中国の集合住宅では、ドアの直ぐ傍で生活しているから、声もテレビの音も外に漏れるのである。聞く方もドアの直ぐ傍にいるから、外からの音がよく聞こえる。

  夫婦喧嘩の声を聞いて、かなり以前の日本人の声が聞こえてくるという謎が、やっと解けたというわけである。今回、引っ越した建物でも、隣の住人がガラガラとやっているマージャンの音は、やはりドアから入ってくる。

  玄関も廊下も作らないと言うことは、無駄なスペースが無くていいのかもしれないが、どうも日本人から見ると都合が悪い。今の家も、靴を脱ぐところもないというほかに、ドアを開けるといきなり居間で、居間と次の部屋まで覗かれてしまう。部屋の中で若い女性が、ソファーの上にしどけない姿で寝ていたなんてことは決してないのだけれど、それでも私は覗かれない方がいいと思う。この居間が覗かれると困るという感覚は、日本人にあって、中国人には無い感覚なのだろうか、きっとそうだと思う。

  覗かれるだけでなく、うっかりすると土足で入ってこられてしまう。中国語には「どうぞお上がりください」というこという言葉はなくて、「どうぞお入りください」というと、ずっと居間の中まで入ってこられてしまうことは以前に書いた。中国には玄関もないし、上がる高さも無いいからである。

  以上が、無理やり書いた夫婦喧嘩の話である。

  追記;夫婦喧嘩に関係ある話
以前、町中で夫婦喧嘩を見たことがあるが、意外なことに人が集まってこなかった。中国では喧嘩が起こると、物見高い人がわっと集まってくるはずなのである。しかし夫婦喧嘩の場合は、他人には興味がないらしく、人が集まらないように思えるのだがどうだろうか。夫婦喧嘩くらいではいつものことなので、興味もないということなのだろうか。どうもその様に思える。

  更に別の追記;
中国の夫婦喧嘩につい書けないなんて困っていて、ひょいと人様のブログを見たら、生々しい中国の夫婦喧嘩の様子を書いている人がいた。こう言う光景なら、自分でも見たことがあるなーと思ったが、いまさら真似するのもなんなので、下のアドレスの

風にのって・・・
(北京から上海に流れてきました。(笑)主婦つちこの中国生活)
http://pekinkaze.cocolog-nifty.com/tutiko/
の3月15日の日記を見てみてください。結構生々しいです。
これで、私の日記の代わりにしてください。

無理やり書いた夫婦喧嘩の話