いよいよ師走ですね。12月と言えばカレンダーです。中国の会社でもカレンダーや手帳を配ります。この習慣は日本の会社を真似たのかも知れません。その中国のカレンダーですが、日本のと違って、全く季節感がありません。8月に雪が降っていたり、2月の写真が夏の海であったり。季節感は無視ですね。

  もうめちゃくちゃ。いやめちゃくちゃと考えるのは日本人だからであって、中国人から見れば、そんな細かいことに拘るのがおかしい、と言う事なのかもしれません。そう言われてみれば、桜の花の写真は何時見ても奇麗なわけですから、一月のカレンダーに桜の花の写真を使っても、きれいだからいいじゃないの、というようなものでしょう。

  しかし、私からするとカレンダーをめくる時、今月は若葉の季節なんだとか、今月の末には街路樹が黄色に色づくはずだとか、今年も後わずかだとか、とにかく季節を感じたいのですが。

  そう言えば、中国語には手帳に相当する言葉は無いです。直訳すると小さいノートになってしまいます。この言い方だと、メモ帳みたいですね。このことからすると手帳を配るのは、確かに日本の習慣を真似たのでしょう。日本の手帳よりかなりでかいです。元々手帳をポケットに入れて持ち歩くという習慣も無かったのでしょう。

  季節感と言えば、中国では(北京あたりでは)一年中スイカを売っています。日本では夏以外はあまりスイカが無いですね。これはスイカは夏のものと言う、日本の季節感からきているのかもしれません。日本では季節感を大事にしますから、冬にスイカを作っても、売れないでしょう。

  中国でも年賀状がありますが、中国では年が明けない前から、もう、年賀状がきます。それには「新年快楽」などと印刷されています。年が明ける前に年賀状をくれるなんて、なんと季節感の無いことかと、思いませんか。クリスマスカードと兼ねているのもあるので、早く来ることになるのかもしれませんが。

  会社の日本語の教師に「新年快楽」を日本語になんと訳すか聞いてみました。わが社には中国人の日本語の教師が二人もいます。一人は「新年お目でとうございます」、もう一人は「新年明けましておめでとう」でしょうとの答えでした。明けましてだったら、無事に年が越せたのでおめでたいわけですから、後者の訳はおかしいんじゃないの、と私は言いました。無事に年が明けるかどうか分かる前から、おめでとうと言われると何だか変な感じに思えるのですが。手術に成功する前から、手術の成功おめでとう、と言われているように思いませんか。

  「新年快楽」が「新年お目でとうございます」という意味だったとしても、年末にもらう年賀状は私にとって違和感がありますね。「新しい年が愉快な年でありますように」だったら理解できるんだけれど、と女の教師に言ってやりました。

  なお、上の感想をあるMLに投稿したところ、中国ではクリスマスの飾りつけも、何時までも残しておくと言うご指摘がありました。確かにそのとおりです。そう言われて考えてみれば、中国では旧正月(春節)の飾りもずっと門に張ったままにしてあります。中国の春節には、春聯というおめでたい言葉を、門の両側に張りつける習慣があります。春聯は赤い紙に金色の文字で書かれたりして、最初は一応きれいです。しかし日がたつに連れて、雨風に晒されて汚くなるのですが、ずっと剥がさずにそのままにしておきます。汚れたり汚くなったりしたら、剥がした方がいいと思うのですが。

  これは季節感とは関係無いことで、中国人の生活の仕方に関係があるのかもしれません。中国の人の生活の仕方というのは、家の中はまだしも、家の外側には、日本人からみれば、あまり気を使わないようです。ハッキリいえばあまりきれいじゃない。もっとハッキリ言えば汚いです。

  中国での年末の感想でした。

季節感の無いカレンダー