青島、煙台、大連の旅
−1(6月5日)

  ゴールデンウイークに、青島、煙台、大連と7日間旅行をしてきた。感想はと聞かれれば、中国ではないみたいに奇麗というのが第一印象。何が奇麗だったかと言うと、このあたりの海が何処も奇麗だった。建物もきれいだった。特に青島の古い建物は奇麗だった。海や建物が奇麗だとい言うと、どうも中国ではないみたいな気がする。

  旅行の方もトラブルも無く旅行が出来た。観光はタクシーをチャーターして行ったので、旅行のスムーズさは日本で旅行するのと同じである。そして日本と同じ様な奇麗な海、奇麗な建物。勿論建物のほうは日本と同じではなく、ドイツ式を初め西洋式の建築である。ゴールデンウイークであったが、4星、5星のホテルを予約しておいたので、こちらも、問題が無かった。旅行中は中国的意外性が無かったわけだが、こうなると何か物足りないような気もする

  そう言えば前回の旅行では、泊まったホテルで、バスのお湯の温度が上がらなくて、文句を言って大騒ぎした。文句を言っただけでは解決しないので、それで大騒ぎをしのだが、今回の旅行は、そんなことが無いので、チョッと印象が薄かったというような、贅沢な旅行であった。中国の旅行には、中国的な薬味少し効いていたほうが印象深いといのも変な話である。

  青島や大連は"中国じゃないみたいにきれい"という言い方は、中国人に とって、あまり誉め言葉にはならないかもしれない。この日本語の言い方を、会社の中国人に教えら、"中国はきれいではない"と言う意味ですかと、敏感に反応した人がいた。勿論否定はしたが、実は私の感じた事にはそう言った意味も有る。今回は観光地も観光でない所でも、他の地方よりゴミが少なくてきれいだった。

  そう言えば青島の海が奇麗だという広告を中国では見たことがないような気もする。その代わり北京あたりの人がよく言う海辺は、北戴河というあたりの海で、黄海の黄土が流れ出て、きれいではない。中国人は海の奇麗さを日本人ほど賛美しないように思う。日本には海の奇麗さを歌った歌は有るが、中国ではどうなんだろう。中国でも"大海よ、大海よ"という歌を聞いたことがあるが、中国の海の歌は、どうも大海を偉大な中国になぞらえたような歌になってしまうんじゃあなかろうか。きれいな海の観光地というのは日本人向きなのかもしれない。

一日目
  北京を飛行機で出発して、一時間で青島に着いてしまい、空港からリムジンバスに乗って終点についたら、そこにタクシーがいてそれに乗ってホテルまで行った。北京から半日でホテルについてしまった。青島のホテルは海の直ぐ側で、目の前に海が広がる8階だった。夕日が沈むのも見えた。やはりこのような景色が見るほうがいい。海が見える部屋は見えない部屋より高かった。

  着いた日の午後は、八大関景区と言われるあたりの、古い西洋式建物を見に行った。そこは古い建物も、周りも奇麗に整備されていた。何故奇麗に思えるのか考えて見たが、建物の回りに広い庭があって、木が植えられていて、緑があること。建物の色彩が落ち着いた色であること、回りにゴミが無く、ガラクタも無いことなどが理由だろう。この反対が中国的だと言うと言い過ぎだろうか。花が沢山咲いていたことも奇麗な理由かもしれない。中国には桜があまり無いと思っていたが、ここには若い木であったが、八重桜が沢山咲いていた。

  この八大関景区の海岸べりのレストランで、早速遅い昼食を食べた。青島だから海鮮料理である。建物はやはり古い西洋館であった。聞いてみたらドイツの建物だとか。広い家であったが全く廊下が無かった。入り口辺りをもっと奇麗に整備すれば、湘南海岸風の洒落たレストラン風になるのにと思った。

  夜は繁華街にあるレストラン街に行って餃子屋に入ったが、結局、餃子の他は海鮮料理になってしまった。目の前に海鮮の材料が並んでいたので、注文するのがし易いからだった。夜は桟橋という、海に突き出た桟橋を散歩した。

二日目
  翌日はタクシーをチャーター(200元)してラオ山と言われる所を観光した。タクシーの運転手はホテルの前で待機していた運転士を頼んだ。前日利用した運転手に名刺を貰ったが、プライバシーに興味津々らしかったので止めにした。実は今回は私の娘と一緒に旅行したのだが、当然娘は私よりずっと若いわけで、その娘を香港人じゃないかなんて聞くし、自分の娘だと答えたが、まだ結婚していないのか、何で結婚しないのかなんて聞かれそうだし、私の方にも給料は?とか、仕事は?聞かれそうだったので止めにした。一人旅であれば、運転手とのおしゃべりもいいのだが。

  この日チャーターした車の運転手はおしゃべりではなかった。海岸べりを走ってラオ山に行ったのだが、ずっと青い海が見えてそれが奇麗だった。漁村でもこのあたりの家の屋根はオレンジ色に統一されていて、こっちのほうも奇麗だった。日本の海岸沿いの道を走っているようで、やはり中国ではないみたい。ラオ山は風が強くて。ロープウエイが止まっていて、上にある道教のお寺まで行けなかった。麓にあった仏教のお寺を見た。

  運転手に、この辺りの海鮮は養殖ではなくて天然ものだなんて、盛んに言われて、昼食には又海鮮料理を食べた。青島は青島ビールが有名だが、運転手が言うには、地元の人はラオ山ビールのほうが美味しいので、ラオ山ビールを飲むとのことで、ラオ山ビールを頼んだ。レストランの二階のオープンテラスで潮風に吹かながらヒラメの刺身を食べた。目の前の海が奇麗だった。しかし海鮮料理の値段は高かった。海鮮料理の注文方法は、材料を指定して、金額はその重量によるのである。重量が多いと高くなる。ヒラメを半分だけなんていう訳にはいかない。少し厚めのヒラメの刺身が食べきれないくらい出てきた。刺身が出てきて始めて気がついたが、刺身を食べるんだったら、日本の醤油を持って来るべきであった。やっぱり日本の醤油と全然味が違う。運転手お奨めのラオ山ビールは、冷えていて確かに美味しかった。

  食後市内に戻り、古い建物を見物する。教会などの建物とその内部も見物した。教会の中はステンドグラスからの採光があってきれいで、益々中国的ではない感じになった。

  さすがに夜は韓国焼き肉屋に行って焼肉にした。食べ残した餃子だか焼き肉だったかを包んでもらって、翌日の朝食にした。この方法は旅のコツの一つである。旅のコツと言うより、中国の生活で得た智恵と言った方かいいかもしれない。中国料理は量が多いから食べ残したのを打包(包んで)して持って帰る人が結構多い。こうすれば無駄にならないし、一食分の費用が助かる。

  夜はホテルのライブハウスにコロンビア人のバンドが入っていて、デュエットで歌っていたので、それを食後に聞く事にした。ビールの小ビンが一本30元も位して高いので、娘にライブハウスで音楽を聞くときは、ビール小ビン一本で粘るのが中国式なんだと、ここでも中国の生活のコツを教えた。結局二人でビールの小ビン一本づつで、歌を3クールも聞いてしまった。さすがにビール一本では酔わないので、部屋にとって返して、部屋にあるぶどう酒を飲んで、又戻った。娘にはどうせそんなことだろうと思った、と言われてしまった。我々が余りに熱心に(ビールの小ビン一本とポップコーンだけで)聞いていたせいか、帰ろうとしたら、そのデュエットの二人が挨拶にきた。

  外国人の歌は、歌っているのが楽しいという風に、次から次へと歌う。のりがいいというのだろうか。だから聞いていても楽しい。これに反して、中国人ピアノ弾きや二胡の奏者は、なんだか曲と曲の休みが長くて、いやいやながらやっているように感じられることがある。今こんなところで、両者を比較する必要も無いのだが、・・・・・

三日目
  翌日は半日、タクシーで青島市内を観光した。高い所から見る青島の建物は屋根も奇麗だった。昼頃、長距離バス乗り場まで連れて行ってもらって、煙台行きのバスに乗った。三時間位で煙台に着き、その後タクシーでホテルへ入る。海辺にあるホテルから海岸を散歩しながら、古い建物があるあたりまで歩いて行った。知らなかったことであったが、実は煙台にも古い西洋館があったのである。青島や大連に古い時代の建物が残っていることは知っていたが、煙台にもこんなに多くの古い建築が残っていたなんて、全く知らなかった。これらの建物はドイツ式かイギリス式か。煙台の歴史を調べれば分るのだろうけれど。運転手に聞いたら、これが大使館だったと教えてくれたが正しいのだろうか。煙台の西洋館は殆ど観光の対象になっていなくて、空き家になっていたり、レストランになっていたり、荒れたままで人が住んでいた。もっと観光資源として利用すればいいのにと思った。既に海岸の方にある建物は、周りを公園風にしたり、建物を奇麗にしたりしていた。これからは観光資源となるに違いない。

  夜は変わった食べ物がいいかと思って、夜の屋台が並んでいる辺りに行って、羊肉串(羊の焼肉串)を食べた。これがあまり美味しくなかった。羊肉串と言うのは独特の調味料が使ってあるのである。これは孜然という香料であるが、これが全く振りかけてない羊の肉は不味かった。こんな羊肉串は初めて食べたが、調味料を振るのを忘れたのだろうか。聞いてみればよかったと後で思った。