中国での食事とかについて
(1月3日)

  私は中国の会社で働いていて、その会社の社員は、全部中国人なので、会社での昼食とか、そんなことについてのお話です。

@会社の昼飯
  北京の会社の昼食は、ビルの職員用食堂(9元、130円位)や外での食事もありますが、同じビル内にもレストランがあって、そこで食事をすることもできます。中国の一人での食事は不便という話(これは本当)がありますが、中国でも最近、定食という料理の形式がようやく出てきました。やはり定食の形式は便利で合理的ですからね。同じビル内にあるレストランにも、珍しく定食があります。ところがこの定食、やはり中国的であって、量が異常に多いのです。

  そんなわけで、最近は四人で三人分の定食とか、五人で四種類の定食とかを取り、この定食を中国人社員と数人で、分け合って食べています。そうしてジャージャー麺や、卵入りチャーハンとなどを、中央において、皆で箸で突っつきあって食べます。食べ方は中国式ですが、勘定は割り勘で日本式です。そうすると一人当たり6元とか7元くらいになります。100円くらいですね。中国では割り勘で払うのをAA制といいます。しかし中国ではAA制の勘定の払い方を殆ど見かけませんが、私達の最近の昼食は、中国人達と中国式、日本式が入り混じった食事の方式です。

A女子社員のアパートで食事をする
  会社の女性社員(中国人)に惚れられて、女子社員のアパートに行ってきました。そこで料理を作ってきました。ほんとに惚れられたのです。いや私にではなくて、私が作るカレーライスの味にです。実は以前にも独身女子社員のアパートに行って、カレーライスを作ったことがあって、そこで評判がよくて、気に入られたというわけです。(以前のいきさつは、この日記にも既に書きましたが)

  カレーライスの作り方は結構難しいですよ。いや、日本人にとっては簡単かもしれませんが、カレーライスのイメージが無い人にとっては、水加減はカップ何杯と言われても上手く作れないんですね。私の作り方といっても、日本製のカレールーを使って、その箱の裏に書いてある通りに作るだけなんですが。水加減は何時も食べている日本のカレーライスの固さにする、と言うことだけです。

  私の作るカレーライスはとても評判がいいのですが、これは多分私のと言うより、日本式のカレーライス(日本製のカレールーを使って作る)は、中国人にはかなり好かれるのでないかと思います。しかし私にも特技が無いわけではありません。中国の家庭にある中華鍋でも、カレーが作れるというのが特技(?)です。中国の家庭にはいろいろな鍋など無いのです。特に独身女子社員のアパートには中華鍋しかありませんでした。

  なお、女子社員のアパートを訪問すると言うのは穏やかではない、と言うご意見があるかもしれませんが、本当は北京あたりには、独身者アパートなどは無いのです。それで、普通、地方から北京に働きに来ている社員は、一般の民家を、数人でシェアーして借りて住んでいると言うのが実情です。そういうところでカレーパーティーを開いてカレーを食べたと言うだけの話でした。しかし女子社員の一人に惚れられたと言うのは本当です。カレーの味の方にですが。私が行ってカラーを作るのが、待ちどうしかったらしいです。

B中国料理で“おじや”を作る
  中国旅行のツアーに参加して、最後の方では、中国料理に飽きてしまう方がいませんか。そんなとき次の方法を試して見てください。数人での食事や宴会では、一つくらいは湯料理がありますね。湯料理とはスープ料理のことですが。鍋ごとアルコールランプで加熱する形式の鍋があれば一番いいのですが。このスープ料理か鍋料理を、先にその料理を食べてしまって、スープを残し、そこに御飯を貰って、スープの中に入れておじやにするのです。生卵を貰って割り入れることも必要ですね。中国料理で“おじや”を作るというのは、結構美味しいですよ。日本人にとって美味しいと思う料理が出来ると思います。

  テーブルの上で加熱する鍋なら、自分でおじやが作れますね。そうでなければその鍋をチョッと加熱して貰う必要があります。そうすると、とても美味しい卵入りおじやができます。これは日本からきた日本人にも結構受けました。やはり日本の味に近い料理だからだと思います。

  辛いスープでもいいですね。キムチ雑炊とかチゲ鍋のイメージの雑炊ができます。しかし目標は日本の味ですから、中国式香辛料の八角とかが入っているとあまり合わないかと思います。しかし中国の湯(スープ)料理には、あまり中国式香辛料が使われていないようです。そうそう、北京では、今流行っている水煮魚と言う、辛い魚の料理の残りのスープで、おじやにするのもいいかもしれません。ただし魚の表面を覆っていた唐辛子は、取り除けてからでないと凄く辛いおじやになってしまいます。それから中国の魚料理は小骨ごと料理しますから、小骨も取らなければ。

  実を言うと、中国料理で最後に出てくる御飯というのは、あまり美味しくないです。中国人は日本人ほど御飯の旨さにこだわりませんから、高級レストランの御飯でもまずいです。でもこの方法で御飯を食べると、まずいご飯でも結構いけます。中国料理には御飯を美味しく食べると言う発想が、殆ど無いんですね。中国人におじや料理の感想を聞いたことがないですが、中国人にもこのおじやの美味しさが分かるかもしれません。今度中国に戻ったら、これを食べさせて、感想を聞いてみようと思います。

C残った料理のお持ち帰り
  レストランで残った料理を包んでもらって持ち帰るのは、結構中国で流行っている方法で、意識的に料理をたくさん注文して、残りを包んでもらって持ち帰る人もいます。

  私もそれにならって、昼飯のジャージャー麺とそれに使う肉味噌を打包して持ち帰る事もあります。打包とは、包んでもらって持ち帰ると言うことなんです。ジャージャー麺なんて昼飯に食べる、軽い食事なんですが、それでもレストランでは、ジャージャー麺を打包してくれます。私は一人暮らしなんで、持ち帰ったジャージャー麺でも、立派な翌日の一食になるんです。

  この前は、北京では珍しいスペイン料理を、会社の女課長達にご馳走しましたが、そこで食べたパエリヤが残ったので、私は打包して貰って持って帰り、翌日、電子レンジで暖めて一食としました。雰囲気のあるレストランでしたが、そこでもちゃんとお持ち帰り用の発泡スチロールの容器が、用意してありました。スペイン料理でも打包して貰って、料理を持って帰る人がいるようです。女課長いわく、以前は打包は恥ずかしいことだったが、今は恥ずかしくないとのことでした。

  中国を旅行する時、注文した料理が余ってしまって、しかも美味しい料理なら、残った料理を打包してもらってホテルに持ち帰り、ホテルで食べるのもいいかかもしれません。ホテルで食べ難い料理というのもあるでしょうが、飲茶とか、餃子くらいならホテルに持ち帰って食べられるとおもいます。

D日本料理の食べ方
  中国における日本料理の評判は、あまりいいとは言えないかもしれません。高いだけで、美味しくないということも聞きます。その原因は日本料理の食べ方が分からないという事もあるのではと思います。ある時、一人で回転寿司屋に行ったら、隣に一人の若い女性がやはり一人で来ていて、何やらメニューを見ていました。一人で来るくらいだから寿司を食べ慣れているのかと思って、チラッと醤油の皿を見たら、何と、醤油の皿に、ワサビが山盛りになっているのです。これではこの人は絶対に日本料理が好きにはならないだろうと思ったので、寿司の食べ方や、美味しい物を教えてあげようかと思いました。

  しかし一人の女性に声を掛けるってのも何だか躊躇しますね。何か下心があるように見られてしまうかもしれないとか。大きなお世話と言われはしないかとか。でも言ってみました。それでは山葵が多過ぎますよと。寿司は、サーモンが美味しいですよとも言ってみました。北京ではサーモンの寿司が安くて美味しいのです。しかし、サーモンは嫌いだとか言って、安い稲荷寿司などを食べてそのうち帰って行ってしまいました。自尊心を傷つけてしまったかもしれません。

  北京には、初めて日本料理を食べにきて、恐る恐る日本料理を食べている中国人が結構います。回転寿司屋に座って見ていると、店に入ってきて回転寿司を眺めただけで、食べないで出て行ってしまう人も居ます。

  果敢に寿司に挑戦する人もいますが、中国製の創作巻き寿司のようなものを食べたり、回転しているフルーツ盛り合わせを食べていたのでは、日本料理のフアンにはなりませんね。別のある時、握りずしから上のネタの部分をはがして恐る恐る食べている人もいました。やはり御飯と一緒に食べるのが美味しいと思うのですが。

  その御飯ですが、私としては刺身も美味しいですが、日本のご飯の美味しさを分かってほしいです。残念なのは中国では、何十回も回転を繰り返した寿司であると、シャリの部分が美味しくなくなるのです。何故か中国の御飯と言うのは、時間が経って冷えると旨くなくなるのです。これは中国と日本の違いなんですが、日本のは冷めても美味しいですが、中国のはだめなんです。そんな訳で寿司の隅のシャリが干からびかかった寿司を食べて、日本料理の味を評価してもらいたくないのです。

  先日スキーに行った(十年ぶりに、北京でスキーをした)帰りに、一緒に行った社員達に日本料理をご馳走しました。テンプラや刺身、それから焼き魚、刺身、すき焼きも。すき焼きは、生卵(中国人の殆どが気持ち悪いと言う)で食べました。そうしたら全員が日本料理は美味しいと言っていました。そのときの料理というのは、最高級の日本料理を御馳走したというのでは無いです。すき焼きと言うのも、ねぎが入っていなくて、レタスが入っていたりして変なものでした。それでも ある女性は、以前食べた日本料理より、Hommaさんと食べた料理はずっと美味しいと言っていました。いや、私の選択と食べ方の説明が良かっただけなのですが。彼女が以前食べた日本料理はきっと、変なものを変な食べ方で食べたのでしょう。

  やはり中国人が知らずに食べる日本料理と言うのは、何か間違っているのではないかと思います。もし隣におそるおそる日本料理を食べている中国人がいたら、正しい食べ方、美味しい日本料理について、お節介でも教えたほうがいいと思います。