おかしなニュース
(12月12日)

○40年も住所が無い。
  これは中国の田舎の事では無くて、北京のことである。ある路地に名前が無く、従って、住所が無くて、それでなんと40年間も手紙が来ないのだとか。一応の理由は道路(路地)に名前が無いから、住所も無いと言う事らしい。中国では道に名前を付けて、それから両側の建物に住所を与える。日本の様に一丁目一番地と言い方は無い。中国では地面に住所は無いのである。元々そこには道が無くて自然発生的に家が出来て、中央が道になったらしい。元々は違法建築らしいが、そんな状態で40年も放って置かれたのだと言うから、中国の行政組織も凄い。新聞に載っていた対策とは、道の名前を管理している所が、住民の訴えを、訴えがあれば聞きますと言うものであった。こんな事で解決するのだろうか。

  中国人の土地に対する感覚と言うのは、土地が誰のものであるかと言う感覚が極めて薄いように思える。だから土地の境界などに付いての意識もかなり薄い。従って、違法建築などが非常に多い。例えば、道に張り出して作られた建て増し住宅などなどがあちこちにある。

○エイズ患者の犯人は捕まらない
  中国ではエイズ患者が、犯罪者の場合、一般の拘置所とか監房に入れてはならないと言う規定があるらしい。特別の施設に隔離して収監しなければならないと言うことらしい。しかし実際には特別の施設など無い。だからあるエイズ患者の犯罪者は捕まる度に釈放されるのだとか。で、警察も困って、全国で始めて、重慶に専用の収監所が出来た。ある患者の犯罪者が捕まって収容されたのだが、これは中国全国で初めてのことなので新聞に載った。そこを見てきた記者の記事によると、特別の部屋の上に、専任の看守がいて、エイズは怖くないとか、差別してはいけないとか標語が書かれていたのだとか。

○プライバシー
  そのエイズ患者の顔写真は、バッチリ写っていた。別の記事では、中国で初めて確認された胎児性の患者の女の子の顔も写っていた。そう言えば去年の今頃の、やはりエイズの日の前後であったが、"エイズ女が北京に来て結婚する"という事が記事になって度々話題になった。本当に新聞の記事のタイトルは、このようなものであった。このタイトルにも関わらず、その女性を批判しているのではないのである。むしろその女性を応援している側の記事である。しかしそのタイトルといい、その顔写真を度々載せることといい、チョッと我々の感覚では考えられないタイトルだった。

  何を応援しているかと言うと、中国には結婚前の健康診断があって、これは必ず必要で(今年から必要なくなった)、ある種の病気の人は結婚を受理されない。エイズもそのリストの中に入っている。ある種の病気の人を結婚させないと言うのは、かなりの差別のように思えるが。それは別として、それでもあえて好きな人と結婚したいと言う、けなげな心意気に感じて記事にしたようだった。去年のことなので結末はどうなったかはっきり覚えていないが、新聞の応援にもかかわらず、上手くいかなくて、悄然と故郷に帰って行ったのではなかったろうか。新聞側に差別しているという感じは全くないようであった。むしろ正義の味方と言った感じだった。それにしてもあのタイトルの付け方ではねえ。結婚前の健康検査が必要なくなったのは、中国でもある種の病気人を結婚させないと言う事は、人権侵害と気が付いたからであろうか。

○黒い診療所
  黒いとは、違法なと言う意味であるが、北京の郊外に在る、ある黒い診療所は、もう何年も営業しているのだとか。こう言う場所が記事になるのは、医療事故が問題になった場合とか、記者が暗訪してルポルタージュを書いた時などである。暗訪してとは、身分を明かさないで訪問して記事を書くということである。今回も暗訪して書かれた記事が載っていた。それによると、その黒い違法の診療所では妊娠時に超音波で検査してくれるのだとか。本来この検査は違法である。何故かと言うと、検査によって男女の性別がハッキリすると、歓迎されない性(多分女の子)であった場合、人口流産させてしまう可能性が高いからである。この検査代は結果が男であった場合100元、女であった場合50元。同じ検査なのに何で男女に依って値段が違うかはっきり分からないが、男の子方が親にとってうれしいから、医者に上げるご祝儀も含まれているのだろうか。

  記者は、"門診"と書かれた小さな看板が掛かる入り口を、雑貨売り場の奥にやっと見つけて、超音波検査が受けられるかと聞くと、違法であるはずの検査が、いとも簡単に受けられると言う。場所はそこではなくて、自動車に乗せられて、5分位行った所の普通の民家に別の"黒い"医院らしきものがあり、超音波検査器はベットカバーの下にあったのだとか。希望があれば、その不潔な感じのところで中絶手術も受けられて、その値段が300元(4,500元)だそうである。ここの診療所に来る人は本地人(北京の人)ではなくて、地方からの出稼ぎの人ばかりらしい。識者の意見ではとても危険だと言う話が載っていたが、このような違法行為が徹底的に取り締まれないのが不思議である。地方に行けば、訳のわからない漢方で治す医者も居るくらいだから、徹底的に取り締まれないのだろうか。つまり徹底的に取り締まると、安い医療機関が不足して困る人がいるからなのだろうか。

○赤ん坊売買団
  広東省のある都市で、赤ん坊の売買団に判決が下りた。以前の新聞のことなので判決は覚えていないが相当重い刑であった。犯人側は40人以上で、売った子供は女の子ばかり120人位、仲買人が小さな病院などから集めてきて中国の中部の方の都市に売っていたものであるが、主犯の数人は商売としてこれをやっていたが、医者とか看護婦は副業としてこれに関係していて、処罰された。中国ではいつもではないが、こんな事件が時々ある。いつも売られるのは、余分に生まれた女の子である