北京の廟会
(2月14日)

  廟会とは、中国の旧正月・つまり春節に開催される縁日のようなものである。今年の春節は2月1日からである。早速正月の初日に廟会を見に行った。前日の大晦日の夜は爆竹花火が禁止にもかかわらず、大砲か機関銃のように花火がなり響いていたが、翌日は風もなく穏やかな日であり、縁日を見に行くには丁度良い日だったので写真を撮りに行ってきた。行った所は、白雲観と言う道教のお寺で、大勢の人が出ていた。日本の縁日と同じで有る。ここは北京でも西の方で、下町と言った感じのところある。白雲観は相当大きいお寺だった。

  ここまで行くのに、バスの中で赤ん坊の小便を引っ掛けられそうになった。この日は赤ん坊を抱いた人が多かったが、抱っこしている赤ん坊の股の下から、突然小便が漏れ出して引っかかりそうになった。赤ちゃんがおもらしをしたわけではない。元々子供のズボンの股は割れていて、そこから随時小便が垂れ流せるようになっている。親は尿意を察するらしく、バスの床に小便をさせたのである。それも抱っこしたままの姿勢で、何食わぬ顔で小便をさせるからこっちは慌ててしまった。おまけに床の上をこっちの方に小便が流れて来たので靴が濡れそうになった。赤ん坊の小便と言えども小便で靴を濡らしたくない。

  廟会は日本の縁日と同じく、屋台の食べ物屋が沢山出ていて、私も、青い目の新疆の人が焼く羊肉串を五本食べて、焼きそばも買って食べて、それから山東煎餅も食べて、昼食の代わりとして。山東煎餅はせんべいではなく、クレープのようなもので、もやしと肉を炒めた物と、生ねぎを巻いたもので有る。山東省はねぎの産地なのでこのような食べ物があるのかもしれない。味は味噌味である。これは結構いける味だった。

  干しぶどうを売っていた異国的なウイグル族らしい少年もいた。他にもウイグル族らしい人が大勢出ていて、胡桃のお菓子を売っていた。屋台では蚕のさなぎの串焼きも羊の焼き鳥と一緒に売っていた。

  廟会はまさに日本の縁日とそっくり同じであるが、入場料を取るところが違うかもしれない。中国では国立公園に入るだけで金を取る。縁日で線香の匂いがぷんぷんする所など日本とそっくりである。もっとも線香の匂いがするのは道教のお寺などであって、廟会は公園や由緒有る広場などでも開かれるから、ここでは線香の匂いはしない。道教のお寺の方は、金が溜まるというご利益があるのも、日本と同じである。ここで盛大に線香を焚く。中国人は仏教の仏様でも、道教の神様でもわけ隔てなく、ご利益をお願いするが、これなども日本人と同じである。日本人は神様であるが。

  白雲観の廟会には写真を撮りに行ったのだが、いかにもご利益のありそうなでかい線香や、お祈りをしている人の写真などの写真は上手く撮れた。しかしウイグル族の色の白い、目の大きい少年の写真を撮ったが、これは失敗の写真になってしまった。大きな目で見つめ返されたので、悪いことをしているような気がして、ピンぼけの写真になってしまった。

        白雲観の廟会の写真