私の特技
(12月18日)

  私の特技など大したことではないのであるが、中国にいるとひょっとするとこれは特技ではないかと思えることが幾つかある。中国という地域限定の特技なのであるが。

  例えば、中国ではこの歳になって、パソコンを使える人はそう多くはない。会社でパソコンを使っていると感心されることがある。中国でも若い人で、パソコンを使える人は多いが、老人の域に入っても尚パソコンを使える人は、そうはいないと思う。そもそも中国の会社では、あまり老人を見かけない。国営産業などの様子は知らないが、社員に聞いてみると、社員のお父さんは50代でもう仕事をしていない人がとても多いようである(日本の失業率は5.4%。中国は4.5%。ほんと?)。まして60歳を過ぎからパソコンを人が出来る人はかなり少ないと思う。老人向けのパソコン教室みたいのはほんの僅かあるにはある。しかし私の様に自由にパソコンを操る老人はほんとに少ない。だからこれは中国限定の私の特技である。

  中国では老人がパソコンを習うにしても、一番の問題は、漢字の入力であるらしい。ピンインと言われるロ−マ字入力のような方法があるのだが、入力したい字を正しくピンインで入力でするのが難しいらしい。日本語で言うならばローマ字が分らないと入力が出来合ないようなものである。そしてもうひとつの問題は、中国語の方言が多いことである。中国語の標準語の発音が出来ないので、ピンインの入力が正しくできないらしい。

  もう一つ中国人に自慢したことがあるのである。それは私がホームページを作ったことである。しかしこれは中国人に自慢しない。ホームページの内容が、少々中国を斜めに見ている部分があるからである。それと中国の知人から仕入れたネタも書いている。知っている人が見れば、これは誰の話しだか直ぐ分かってしまう。そんなわけで自慢してない。ほんとうは中国人でホームページまで持っている人は少ないので、自慢したいのだけれども。

  又別の自慢話は、胡蝶蘭を買ってきて育てたら、今年の冬は二鉢ばかり開花しそうなのである。最近は北京でも胡蝶蘭を売っているが、これを育てられるなんって、北京あたりではあまり多くないと思う。コツは水をやり過ぎないとか、肥料をやり過ぎないくらいのことであるが、それを知らないと難しいかもしれない。この難しさをを評価してくれる中国人もまた少ないのである。たまたま会社に、奥さんが洋蘭の会社に勤めている人がいたので、そのたった一人には、私の腕を評価してもらえた。洋蘭の趣味を持つ人は、中国ではまだ多くないと思う。

  カメラの腕も、中国では少し誉められる。人を撮ってあげるとき、人物をズームでアップして撮るだけだが、一般の中国人が撮るよりも良く撮れている。中国にもズームレンズはあるのだが、それほど使い方に慣れていない様である。孫の写真をたくさん撮ったお蔭かもしれない。しかし日本ではあまり誉めらたことがない。

  もう一つはお酒を呑みに行って、二次会三次会でもつぶれないことである。これが特技だとは今まで思っていなかったが、中国に居ると、どうもこれも特技の一つではないかと思えてきた。中国では二次会や三次会はあまり無い。しかしたまにそのようなことがあると、慣れない中国人は、酒を飲みすぎてひっくり返ってしまう。もちろん酒がほんとに強い中国人は酔っ払わない。しかし私と同じ位の強さの中国人は、殆ど酔っ払ってしまう。その点私はあまり強くは無いが、長年のサラリーマン生活で、鍛えられているお蔭で、意識がなくなるような事は無い。三次会でも重要ななことは記憶に残るようになっていて、何が起こったか分からないようなことは無い。日本では、飲んで完全に酔っ払ってしまうと、電車を乗り越してしまうので、そんことも用心しながら酒を飲む習慣がついている。ところが中国人は二次会三次会に慣れていないから、酔っ払ってしまうか、用心深い人はもうお酒を飲まない。これは単なる慣れの問題だから、日本では自慢にもならないが、中国ならではの特技であるかもしれない。

  先日は三次会まで行って、夜中の三時ごろ、団地の塀を乗り越えて帰ってきた。何故塀を乗り越えなかればならなかったかは、日記の"物業公司"のところに書いたので、どうぞ読んでください。

  西洋の音楽家の名前を結構知っているのだが、中国では、西洋人の名前を漢字を使って表すから、元の名前とかなり違ってしまう。中国式に訛ってしまうのである。だからあまり話が通じない。音楽会のカタログを読むのも一苦労で、一体どの音楽家の音楽なのか中国語ではサッパリ分らない。だからこれをネタに自慢話をしたことはない(出来ない)。

  私の自慢話はこの位でお終いにします。