三輪地方の民話:きょうだい星

 むかーし、むかしん話たい。
山んふもとん こまか家におっ母しゃんと三人の子供が住んじょった。おっ母しゃんは山へ仕事に行きよんなったげな。
 ある日んことじゃった。夕方おそーなって山を下りてくるおっ母すあんば、山んばが食い殺しちしもうた。そーしち山んばは、おっ母しゃんに化けて帰ってきたげな。何んも知らん子供達はいつもと変わらんごつ晩ごはんを山んばと一緒に食べたったい。それから上ん二人は同んなじふとんに入ってねむったったい。赤ちゃんとおっ母しゃんはとなりん部屋でねむることになっちょった。
 そん夜中んこったい。となりん部屋から、何やら音が聞こえちかた。何やろかーち、二人ん兄弟がそっちのぞいちみると、どうしたこっちゃろう、山んばはおそろしかこつに、赤ちゃんば食べようちしちょった。
 おそろしなった兄弟は、裏ん庭に出ち池んふちん太か木に登って行った。そうしたところが、池に二人ん姿が写っとるとが山んばに見つかってしもうた。そして山んばは、ざるで池ん二人ばすくおうちした。
 そりば見て、木ん上で弟が笑うたけん、二人は山んばに見つかってしもうたと。
「どげんしちのぼったつなあー」
と、山んばがたずねた。
「足に油ばぬって登ったったい」
と、兄ちゃんが答えた。
 足に油ばぬった山んばは、登れるはずがなかろうがー。そいばってんか山んばは、木の幹に切り口をつけち登ってきた。
 あと一息ちゅう所で山んばの手が届こうちした時、天からくさりのおりてきたったい。兄弟はくさりをつとーて、天高こう登って行った。山んばも後を追いかけた。そん時、山んばの手ん上で、くさりが切れてしもうたんで、そいで山んばは、ソバ畑に落ちて死んでしもうたったい。
 天に登った兄弟は、美しか星になったげな。


終わり