南西フランスⅠ)




かつてはスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼者で賑わった街や村、今も残るロマネスク芸術の数々…
そして協会が定めた厳しい基準をクリアした村にのみ与えられる“フランスの最も美しい村”の称号を持つ村々
今回はこうした街や村が多く点在するフランスの南西部を訪ねました
どの街や村も自然と美しく調和し、中世をそのまま封じ込めたような素晴らしい景色が広がります

そしてこの南西部は美食でも知られ、自宅ではあまり食べることもないフォアグラ・キャビアそして鴨料理etc...
一生分のフォアグラを食べたわ…の声もあがっていました♪






ひとつの旅行社が春の催行は1度だけ…という、まだまだ珍しいコース
乗り継いだパリ発の飛行機も日本人は私達だけで隣席はフランス人…、旅行気分が盛り上がります♪


北スペインバスク地方に位置する工業都市 “ビルバオ”
今回の旅行はここから始まりました

とは言ってもここでの観光はなし、宿泊のみで次の地点へ向けての移動です


残念ながら初日早々雨…
出発前に近くを散歩♪

ネルヴィオン川の畔に建つグッゲンハイム美術館


曲線を描くチタニュウムの板が組み合わされたこの建物
建物自体が芸術と言えそうで、遠目からも目を引きます




雨粒が大きくなってきた事もあって対岸から見ただけで退散です!



ホテル近くの信号機

歩行者用のマークの上の時計
“あと何秒ですよ…”のお知らせです
親切ですね♪















スペイン&フランス両国の国境をまたがるバスク地方から観光が始まりました

このバスクという地方はフランスとスペインの国境をまたいでピレネー山脈の両側に広がっています
この地方に暮らす人達はバスク人と呼び、スペイン&フランスとはまったく異なる独特の言語と風習を持ち、又伝統を守り続けていると言います


街で見かけたスペイン語あるいはフランス語で表示された看板・標識等も、すぐ下にはバスク語と二つの言語で表示されていました






サン・セバスチャン



“カンタブリア海の真珠” と呼ばれる海沿いに位置するオシャレな高級リゾート地

あいにくの雨の中の観光から始まりましたがやがて雨が上がり青空が…
喜んでいたら又もや小雨、めまぐるしく変わるお天気に一喜一憂するという初日となりました

ズラ~リ、停泊中のヨット
市庁舎

ガイドの案内で2持間ほど旧市街の名所を散策…
傘をさしてでは視界が遮られるし足元も危ない、とにかく傘が邪魔でした!

 



鉄のオブジェ・“風の櫛”

荒々しい海に鉄のオブジェがお似合い!
モンテ・イゲルドより

コンチャ湾とサンタ・クララ島




高速道路スペイン側出口


この料金所を通過すると…
そこは既にフランスです♪















サン・ジャン・ド・リュズ



太陽王ルイ14世とマリー・テレーズが結婚式を挙げた街として有名な、ビスケー湾に臨むリゾート地
夏には青い海を求めてヨーロッパ各地から行楽客が集まるそうです

バスク地方は真っ白な漆喰壁にカラフルな色の木組柱や窓が特長
この街は鮮やかな赤色が多くとても華やか、そしてかわいい…

結婚前に滞在したというルイ14世の館

街中を走るプチ・トラン

おしゃれなカフェ

  コーヒーも美味しく感じます♪

中を見たくて入ったルイ14世の館
1階は行き止まりで2階への階段の前にはロープ、入場口がわからないし聞く人もいない…
ガイドツアーのみの入場だけかしらと話すもそれらしき貼紙もなし

1時間も待つだけの余裕がない私達は諦めて、近くの散策に出かけたのでした






ガンベッタ通り

おしゃれなショップが続きます
ガンベッタ通りに面したサン・ジャン・バプティスト教会

二人の結婚式が行われた教会です















ビアリッツ



ナポレオン三世と妃が逗留して以来多くの王侯貴族がが集まるようになったといいます

大西洋岸最大のリゾート地として人気があり、 今もヨーロッパばかりではなく世界中から多くの著名人がやって来ると…
大西洋の大海原が広がり、
波があるのでサーフィンのメッカでもある



ホテルに近いマルシェ



新鮮な肉・魚・野菜・フルーツetc...
でも旅行者の身では素通り…

面白い飾り方(?)についシャッターを!



ここでもプチ・トランが…


フリータイムに乗って街をひと回り…
(正確には何分の一か…??)

フランス語による街の説明はチンプンカンプン
でも街の風を感じられて楽しかった♪





マーチン岬にて




処女の岩



岩の上に建つのはマリア像



ここから航海をする船の無事を祈っている…


荒い波もここでは優しく感じます


19世紀に皇帝ナポレオン3世が王妃ウージェニーのために建てた離宮
現在は高級ホテル “オテル・デュ・パレ”


目の前には白砂のプライベート・ビーチが広がります




中を見たいわね…とお茶に!

お城を思わせる煌びやかな調度品が素敵でした


何故か女性支配人が豪華な日本語パンフレットを持参の大サービス…
ゴージャスな雰囲気を味わえたひと時でした




この日は午後の半日がフリータイム
夕食はどこか素敵なレストランでと話してたのに、お昼を過ぎた頃からくしゃみが出始め鼻がムズムズ
目が痛くて頭も重くなってきた夕方にはもう食事なんてどうでもよくなってしまい…

思いもしなかった花粉症状、フランスに来てまで悩まされる事になろうとは・・・




朝の散歩で…

この家
赤い窓・顔を出している人・中ほどの橋&海etc...
全て白い壁に描かれたもの…
“騙し画”と呼ばれ、名物でもあるそうです

見つけた時はビックリ、思わず近寄って確認した私でした♪















アスカン



ここも又バスク独特の伝統的な白壁に赤や青の窓枠がかわいかった…
人口800人ほどという小さな村である


ニベル河畔 聖母被昇天教会

教会を見たあと街の散策を♪













バイヨンヌ




アドゥール川とニーヴ川の合流地点に広がるフレンチバスクの中心都市
フランスでチョコレートの本場と言えばここバイヨンヌだとか…

ニーヴ川




サント・マリー大聖堂

外観の彫刻はフランス革命で破壊され、今は新しいものだとか
しかしながら内部のステンドグラス等は当時のものだそうです

ステンドグラスが美しく、内部も明るい教会でした















サン・ジャン・ピエ・ド・ポール



ピレネー山脈をはさんでスペインに隣接する山間の街、サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路のフランス側最後の宿場町でもある
商店の並ぶ賑やかな通りは巡礼者達が行交った中世の時代を彷彿させ、
今も多くの巡礼者が歩いています

丘の上に建つチタデル(城塞)

今は寄宿制の学校だそうです









チタデルからの下りに出会った巡礼のおじいさん

“写真を撮っても良いですか?”
の声に、持っていた杖で十字のポーズをしてくれました


巡礼者用の宿が並ぶスペイン通り
巡礼のしるし、帆立て貝のマークが…

教会を出てサン・ジャック門をくぐる…

ここからサンティアゴ・コンポステーラへ向け
巡礼の旅が始まる…
ノートルダム教会 サン・ジャック門


ニーヴ川沿い…



スペインの雰囲気が漂う美しい風景が…♪
















ルルド



貧しい少女の前に聖母マリアが出現、そのお告げによって少女が手を触れると地面から泉が湧きだした
その水を飲んだ人は病気が治るという奇跡が続いた事により、教会はここを聖地として承認しカトリックの重要な聖域となったと…


先ずは聖少女ベルナデット・スービルーの生家・記念館を見学、そして聖域へ



ピオ10世地下聖堂

雨の日でも25,000人がミサを行えるという巨大なもの
ベルナデットとマリア様の出会いのストーリーが描かれたステンドグラスが周囲を飾っている


シュペリール寺院




ベルナデットが聖母マリアの出現を目撃したというマッサビエル洞窟
雨にもかかわらず、この日も多くの人達の参拝の行列が出来ていました

洞窟の左側にある奇跡の泉

洞窟のマリア像
洞窟手前にこの泉から引いているという蛇口があり、聖水の持ち帰りができる
ペットボトルを忘れた私は汲めなかったけど、飲んだ人の感想は “すご~く美味しかった!”




どうくつの右側に捧げられたロウソクが…

小さいものでも1m以上
細工や絵が描かれている可愛いろうそくです

ろうそく行列
日没とともにろうそくを手にした信者の行列が始まります
この日はあいにくの雨、たぶんいつもより人数は少ないのでしょう

ろうそくの明かりは傘に隠れて見えない…
写真を見て想像していた神秘的なろうそく行列、残念ながら見ることが出来ませんでした
何人かの人が言っていました
“これは傘行列だよ!!”















モワサック



ミディ・ピレネー地方、タルン川とガロン川の合流点に近い高台に位置す
中世芸術の数々が残っていて、サンティアゴ・デ・コンポステーラへと向かう巡礼地として多くの人が訪れる



サン・ピエール・修道院附属教会


扉上の半円の部分には彫刻が施され、、これを “タンパン”と言います
ロマネスク教会の特徴であり、この旅行では各教会のタンパンについての説明が多くなされました

この教会のタンパンの彫刻は、黙示録から “ヨハネの幻視” をテーマとしてるとと…
“モアサックの扉口を見ない者は何も見なかったと同じである”とまで言われるそうです


説明がなければ見上げる事もなく、いつものように扉をくぐってしまったことでしょう
半円の中に描かれた様々な物語にしばし思い耽る…、よい経験となりました



11世紀末に造られたロマネスク様式の回廊は、その後ヨーロッパ各地で模倣されたと言います



116本ある柱の柱頭は全て違う装飾が刻まれていて、フランスで最も詩的な美しい回廊と説明されました


この柱頭の1本1本の図案の説明をするガイド氏
最初は熱心に聞いていたお仲間達も厭きてきて…
その内説明はイヤホンで聞きながら写真を撮りに集団を離れ、又戻る…

私もですが…♪

















 トゥールーズ





ミディーピレネーの中心都市でフランスで6番目の大都市であり、コンコルドやエアバスなど航空宇宙産業の拠点でもある
旧市街はガロンヌ川でとれるピンク色の粘土から造った赤レンガの家並みが軒を連ね、 “薔薇色の街” とも呼ばれる

街の中心キャピトル広場 広場前のレストラン








赤と白の華やかさが目を引く市庁舎
キャピトル広場の前に建つ

2階の豪華な広間




市民の結婚式でサインをする際に使われるそうです






ガロンヌ川



ポンヌフの写真スポットで!

朝の散歩、ミディ運河




ユネスコの世界遺産に登録されているミディ運河
ず~~っと末端ですが…♪






後方八角形の鐘楼はサン・セルナン寺院
ジャコバン修道院
幾何学模様の庭を囲む回廊

モワサックの回廊を見たあとでは美しさも半減…
ガイドさんが言うのに驚きました、説明のし甲斐がないでしょうに!




礼拝堂



28mの天井を支えているという7本の柱はまるで椰子の木のよう…

右の写真は鏡に映った天井(カメラは私♪)
1本だけ鏡が置かれていて、下を見て天井を見る事が出来ます





サン・セルナン寺院


奥行き150mもあるという南仏最大のロマネスク様式の寺院
赤レンガと白い石のツートンカラーが美しいこの聖堂は、ユネスコ世界遺産にも指定されています
象徴とも言える八角形の鐘楼
入場前

ユネスコ世界遺産のパネルの前で説明中のスルーガイド・近藤さん


常ににこやかで話術にも長け、 きれいな日本語を話す素敵な女性でした


祭壇はバロック様式で天井の高さは12m


今も鮮やかなフレスコ画 聖遺物 柱に刻まれた聖クリストフの足…
巡礼者はこの足に触り
ここまで無事に来れた事に感謝するのだそうです