キプロス&マルタ



私がペン画教室に通い始める少し前、マルタの街風景の教材が続いたのを聞いていました

ところが2年経った昨年になって先生や先輩方がヴァレッタの街を描いた絵を見る機会が多々あり…
年明け頃から自分の目でヴァレッタの街を見てみたい…と思うようになりました

マルタ1国のツアーだと1週間ほどの短期のものばかり
もう少し長期となる2カ国周遊を探し、シチリア・キプロス・チュニジアとの組み合わせを見つけました
ところが期待通りには催行されず、ようやく決定したのが4月出発のこのキプロスと2カ国のコースでした

成田には30分で行けるというのにこのツアーは羽田発、その上関空経由という往復にかかる時間の長いもの
迷いに迷った末に決めた参加でした


ドバイ空港


いつものようにヨーロッパではなく初のドバイ経由
関空発は多いようです

初めて乗ったエミレーツ航空




キプロス



羽田発が21時半過ぎ、関空・ドバイと乗り継いで、キプロスのラルナカ空港到着が翌朝11時半
時差が6時間なので20時間?
疲れた~と言いたい所でしたが、昼間なのでこのまま観光が始まります


1974年に起きたキプロス紛争の結果、南北を分断するグリーンラインで国連平和維持軍が監視しているが
2004年より南北間の往来に関する規制が大幅に緩和された
空港は南キプロス側、ニコシアのクロスポイントをバスで越えて北キプロスに…
車内で係員にパスポートを提示して手続きは終了!


ギルネに向かいます



ギルネ港

フェニキアの時代から商業港として栄えていたといいます
この港の前に建つキレニア城
今回の旅はここから始まりました





キレニア城

7世紀のビサンティン帝国時代に造られ、その後ヴェネチア時代に要塞化されている




展示室にて



1965年に発見された世界最古の難破船 ⇒

紀元前の昔に地中海交易に使われていた船と積荷の数々
驚きで言葉が出ませんでした




2階部分

城壁のみが残っている






ベラパイス修道院


12世紀末、十字軍に対するサラディーンの反撃に追い立てられこの地に来たアウグストゥス派の修道士によって開かれた
地中海の青い海を背景に空に映える建物は典型的なゴシック様式
その後ギリシャ正教のものとなった教会や、今はイベントスペースとして使われている集会所などが残っている

翻るふたつの国旗
北キプロスと右の赤いのがトルコ
 正面左・元はダイニングルーム
今はイベントホールとして使用




教会入り口
ダイニング前の手洗い場
ローマ時代の大理石の石棺を再利用
美しいアーチを描く回廊は14世紀に建設されたもの



バラ窓

今は形だけが残る

街の向こうは地中海







セリミエジャミイ

元は13~14世紀にかけて建造されたフランス風ゴシック様式の大聖堂
オスマントルコの時代にミフラーブと尖塔が造られ、イスラム寺院に転用されている



祈りの前の体を清めるところ 内部は白く、パッと見たらゴシック
でも鉄線(?)で低くなったシャンデリア
やはりこれはモスクで見る光景です







ヴュユックハーン

オスマン朝の16世紀末に建てられた隊商宿
刑務所として使われた時期もあったとか、今はショッピングセンターやカフェに模様替えされている






 北から南キプロスへ

この日のグリーンライン越えは徒歩で…



首都ニコシアは街の中央をグリーンラインで分断されています



こちらは北側、奥の赤い建物が監視所

監視所をと進むとリドラ通り、メインストリートです
こちらが南側
グループで入国、手続き待ちです









街で見つけたニコシアの旧市街図

整った形の城壁は円周4.5Km
城壁には11の砦があった

ヴェネチュアの塔







バス走行中に何度も目にした山の中腹の南キプロス国旗
石灰岩を使って描いていると聞きました
宿泊した HOLIDAY IN

部屋の窓を開けベランダに出ると…
ここでも又同じ景色、なんとライトアップされていた♪







水道橋跡 ファマグスタ門

城壁の外から市内に入る3つの門のうち最大
幅が45mという大きな建物
自由のメモリアル







司教の館


1960年代に建てられた新ビザンティン式の建物



17世紀に建てられた聖ヨハネ教会
建物の前には、全長数メートルの マカリオス司教の像がそびえ立ち キプロス独立教会の威厳を示す






左隣が司教の館


フレスコ画・イコンが隙間なく飾られている教会の内部

見終わると同時に内部が閉鎖され見学は禁止
素晴らしい絵画を見ることが出来て良かった~♪



お話の後教会内へ…
このための閉鎖でした




キプロス考古学博物館

紀元前7000年の新石器時代からビザンティン前期までの貴重なコレクションが展示されている
数多くの文化遺産が海外に流出しているというキプロスで最大の博物館だそうです



アフロディーテ 色彩が素敵でした






レフカラ村


15世紀に伝えられたというレース刺繍で有名な村
1481年にこの村を訪れたレオナルド・ダ・ヴィンチが、このレースをミラノ大聖堂の祭壇に飾るために持ち帰ったとか
今でもミラノの祭壇にはレフカラのレースがあるといいます

刺繍をしながらお店番


絵のようなおしゃれな家並み
いつか描いてみたいと思い、いっぱい写真を撮って来ました











コロッシ城



13世紀に建てられ、その後15世紀に改築
2階の部分に入り口があり、跳ね橋が架かっていた


14世紀には十字軍の遠征基地として使用されていた
ハイビスカスの赤で色を添えて♪


キリスト磔刑の壁画
街からさほど遠くないのに異空間に居るような心地良さ、短時間でサヨナラするのが勿体無い場所でした



砂糖工場跡…? 私たちのバス♪







AQUAMARE BEACH HOTEL& SPA 


夕食まで時間があったのでホテルのガーデン散策へ

素敵な景色を独り占め…

イースターの赤い卵 たわわに咲いたブーゲンビリア

ところが素敵な風景もこの後のアクシデントで台無し

あと1~2段というところでスッテン!

思い出したくない…(>_<)








パフォスへ

かつて首都として栄えたパフォス、気候に恵まれ豊かな自然が広がる、
いたるところに貴重な歴史的文化財が多く、街全体が世界遺産に登録されている
現在はリゾート地としても人気があるそうです




パフォス考古遺跡
ギリシャ神話にまつわる美しいモザイク画が多く残っている


ディオニソスの館


1962年
耕作中の農夫によって発見された
屋根で覆われているので保存状態もより良くなっているのでしょう
これが2000年も前のものだなんてとても信じられない、素晴らしいものでした





ところどころ欠けた場所もあったがモザイクそのものは素晴らしい
人・動植物そして様々な模様がくっきり…
橋のような廊下の上から覗き込むので、全てを近い位置から見えなかったのがチョッと残念

ガイドの先導で進むので時間の割り振りがどうしても合わない
見たいものをじっくり見るか・全体的なものであっても説明を優先するか…
と言ったところでツアーでは当然後者、言わぬがナントカの結論ありき…でした (-_-;)





テセウスの館

紀元前2世紀頃に造られたローマ地方総督の館
およそ9600㎡もある広大な敷地
中央の中庭を取り囲むように100以上の部屋がある大きな建物であったそうです

考古遺跡の出入り口
世界遺産のプレート、チャンとありました

野花の美しい春
寂しげな風景に色を添えます♪

こちらは屋根はなく屋外にそのままの保存
欠けているものが多く見られたが絵の鮮明度は高かった

改めてモザイクの素晴らしさを実感したのでした
上の写真・一番右側の女性を拡大したのが下
小片だと言うのがわかるでしょうか



私が木組みの渡り廊下で写真を撮っています


今回の旅行で撮った写真は 1700枚余り
私が写っているのは数枚でそのうちの1枚がコレ

わかるのは私だけでしょう♪







王族の墓

紀元前3世紀頃のもので、その数は100以上あったと
現在発掘されているのは11ほど、発掘作業は今も続いている




大きな穴の中には神殿のように彫刻された柱もある
当時の支配者の権力がいかに強大なものであったかがわかる











中世の城・パフォス城


ビザンティン時代、港を守るために砦として造られた
その後取り壊されているが、現在の城は16世紀にオスマントルコにより再々建されたもの





屋上に上がるとパフォス港と市内が見渡せる







アポロン神殿

紀元前8世紀から紀元後4世紀までクリオンの守護神として信仰されていた森林の神・アポロンを祀った神殿遺跡
どこを見回しても彫刻さえもないただの石ばかり
アポロンの姿があまりにも美しく、誰もその美しさを石に刻む事ができなかったとか

なるほど~♪♪




これが神殿











アフロディーテが海の泡から生まれた地と言われるペトラ・トゥ・ロミウ海岸

フィレンツェ・ウフィツィ美術館所蔵の “ボッティチェリのヴィーナス誕生”
あの絵はヴィーナスがキプロスの海岸に着いた時を描いた絵画だそうですが…

狭いトンネルを抜けると…
真っ青な海が目に飛び込んでくる

“これと一緒に写して下さい”
添乗員が差し出したのがヴィーナスの切り抜きでした

全員が入れ替わりで拝借しての撮影…


でも帰宅後に確認したら…

海はこちら側ではなくて反対の右側
上の写真の小さな島、何それ~~!!








クリオン古代遺跡

紀元前14世紀頃、ペロポネソス半島からやって来たアカイヤ人の植民地として発展
海に突き出た岬の丘の上に遺跡があり、眼下に広がる景色が素晴らしい



エウストリオスの家

4世紀の地震のあとに造られた公衆浴場跡
7世紀に破壊されているが、サウナ跡や休憩室の床に見事なモザイクが残る








野外劇場

元は紀元前2世紀に造られたものだが紀元後1世紀に地震で壊れた
2世紀に再建された時には収容人数は3500人だったとか


照明器具も設置
今もイベントが行われているようです







トロードス地方


キプロス島の中央部には標高1951mのオリンポス山をはじめとする山々があり、この山岳地帯がトロードス地方と呼ばれる
11世紀~15世紀に築かれたギリシア正教の聖堂や修道院が点在する

これらの建物は外観は質素ながら、壁・祭壇には見事なフレスコ画やイコンで埋めつくされている
その中の10の教会・修道院が教会壁画群として世界遺産に登録されている
私たちが行ったのはその内の二つの教会



パナギア・トゥ・ポディトウ聖堂

こんな所に何があるの?
それらしい建物が見当たらないまま田舎道を進む…

この先が既に目的場所
左の写真を写した時は思いもしなかった!


中央右の三角屋根が世界遺産でした!!


前庭に咲くカモミールの花
1502年に建立されたこの教会では、イタリア・ビザンチン様式の壁画を見ることができます
どう見ても農家?

木の扉の中に一歩入ると…
照明を落としているので中は薄暗いが、目が慣れてくると金・赤・青etc...鮮やかな色彩が眩しい
狭い室内は “わぁ~、すごい!” の声・声・・・
外観からは想像出来ない祭壇の装飾に驚きました

ところが既に詳細は思い出せません
撮影禁止って恨めしい…(*^_^*)








アラカ教会

12世紀に建てられた木造の教会
ビザンチン帝国コムネノス朝のスタイルによるフレスコ画が美しい
外側の木組みの中にカメラを突っ込むと…
中は漆喰の壁、趣が変わります
修道士の住まいと聞きました
変な撮り方をしてしまいましたが右が入り口
世界遺産のプレートが見えます
外側の木組みの扉の内側
この先が教会の内部
もちろん撮影禁止です
こちらも教会には見えません







キコス修道院


数度の火災に見舞われたそうで、現在の建物は19~20世紀と新しい
敷地が広いので由緒ある修道院というのは納得はできるが、何しろどこを歩いても光り輝いているのが落ち着かない…

光り輝く正面入り口
入場前から違和感が…
中庭 左写真・左の建物になります

廊下の壁画

ルカが描いた聖母マリアのイコンがエルサレムからこの修道院に来るまでの聖なる縁起が描かれているそうです

そのイコンは奥の祭壇中央に飾られているそうですが、私たちは見ずに終わりました

こちらはお土産売り場
ウインドウを覗いただけ…








マカリオス大司教の墓

マカリオスはパフォス地区の小さな村で生まれ、13歳で修道院入り
アメリカ留学後ラルナカの主教に叙せられ、その後1950年にキプロス正教会大主教に選ばれている

ギリシャへの統合から独立へと志向を変え、国際連合総会で独立を訴え1960年に独立を果たした
初代の大統領に選出されギリシャ系とトルコ系の融和を図ったが、トルコ系の権限を弱めようとしたことで衝突
キプロスの南北分断は確定的となり、両者の和解に道筋をつけることが出来ないまま1977年に病死している

墓へ向かう途中にある銅像
数メートルあるのでは?

大きかった!
緩やかな坂道を登ります



ここがお墓です 近づくと後ろに何かが…、人形を立たせてる?
中が薄暗くて見辛いのでズームで迫ってみた

カメラの液晶画面を見てびっくり、人間でした!
ここでも衛兵が1時間毎に交代で見張っているのでした





この日をもってキプロスの旅は終了、マルタへと向かいます



ホテルを出発し空港へ向かっていたらUターン、通り過ぎた?

少し戻るようにして走ったと思ったら目の前に湖、ラルナカのソルト湖です
写真タイムのプレゼント、空港へ行く前に寄ってくれたのでした

夏には水はなくなり一面真っ白になるそうです フラミンゴがいた~♪






ラルナカ上空

先ほど見たソルト湖が左に…





約3時間の飛行でマルタに到着です